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大正ロマネスク 死んでもいいほど、愛してる

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本価格:552(税抜)

電子書籍価格:--円(税抜)

  • 本販売日:
    2011/07/06
    ISBN:
    978-4-8296-6577-0
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書籍紹介

紫眼の貴族は神戸令嬢を愛す

二人にとって愛の言葉はただひとつ――「死んでもいい」。革命で国を追われ、神戸に来たロシア貴族シューラ。ロシア語に堪能な貿易商の令嬢・晶は日本語を教えることに。二人きりの個人授業のなか交わした接吻――情熱的な恋。「愛してる」とロシア語で囁かれ、高鳴る心臓。思わず返した日本語で「……死んでもいい」。夢のように美しく儚い、艶やかな夜――。耽美なる官能文藝。

ジャンル:
和風 | 西洋
キャラ属性:
| 紳士・おじさま
シチュエーション:
玉の輿・身分差 | 甘々・溺愛
登場人物紹介

神戸の貿易商の令嬢。ロシア語ができることから、シューラの個人教授に。

シューラ

ロシア革命から神戸に亡命してきた貴族。その正体は……!?

立ち読み

「晶。接吻(パッェルーイ)をしたことは、ありますか」
「……え?」
何を問われたのか、一瞬わからなかった。言葉そのものが理解できないわけではないのに、しかし彼の意図するところがわからない。何度も目をしばたたかせて、彼の言葉を反芻する。
「接、吻……?」
「ええ」
シューラはうなずいた。彼は晶に、手を伸ばす。彼の指先が、晶の唇に触れる。それに、かっと頬が熱くなった。
それは、少しかすめただけだった。しかしまるで指先が彼の唇で、初めての接吻を奪われてしまったかのような感覚があった。
(あ、っ……?)
晶はよほど驚いた顔をしていたのか、シューラが微笑む。やっと脳裏に届いた、接吻、という言葉に体中に羞恥が走る。
「そ、んなこと……」
思わぬ言葉に、晶はうろたえた。家でも女学校でも、淑女、貞女たれとの教えの中、晶の身は清らかだ。晶のどの友人も同じ──くちづけなどという淫らなことなど、考えたこともなかった。
(で、も)
晶には縁のない淫らなことを口にしたはずのシューラに、しかし嫌悪は感じなかった。彼が異人だからだろうか。異国では挨拶として接吻をするというし、だからシューラにとってもその言葉は、挨拶以上の意味を持ってはいないのかもしれない。意識する晶が愚かなだけだ。そんなふうに思える。
「……いいえ」
接吻の経験はないと晶が首を振ったことに、シューラは喜ぶ表情を見せた。──どこか、子供のような。
何が彼をそんなふうにさせるのかはわからないが、彼の心を押し隠す笑顔を見ているくらいなら、こちらのほうがいい。自分が恥ずかしい思いをさせられても、今のほうが何倍もいいと思った。
シューラの指がまた伸びて、晶の唇に触れた。触れるか触れないかというくらいのかすめるような接触なのに、そうやって触れられて、大きく震える。大きく胸が鳴ったのは、指の動きが敏感な肌をくすぐるようだったからだろうか。唇に触れられただけで、このような反応を見せたことを恥じた。
「きれいな色です。磨いた、珊瑚のような」
「え、ぁ……」
「この唇に触れたことのある者がいれば、平静ではいられないところでした」
晶は、ただ何度もまばたきをした。彼が何を言っているのか、どういう意味をもってそう言うのか、何を意図してそのようなことを口にするのか。まったく見当がつかない。
「シューラ、いったい何を……」
しかしそんな晶の戸惑いには、気がついているのかいないのか。シューラの長い指が、顎にかかる。上を向かされて、濃く影の落ちたシューラの顔が近づいてきた。
「愛しています、晶。あなたは、私の得難い花だ」
自国語でそう言って、シューラはゆっくりと顔を近づけてくる。瞠目する晶の口もとに、彼の唇が重なった。
「あ、っ……」
初めての感覚は晶を深く包み込み、柔らかいものが押しつけられる感覚に、反射的に瞼を伏せた。視覚を塞ぐと、唇をくすぐる感触がにわかに優しく甘く感じられて、触れ合ったところから甘い声が洩れる。
「ん、ん……っ」
押しつけられて、少し離れたかと思うとまた擦りつけられて。そうやって深くなっていく接吻の間、濡れたものが忍び込んできた。舌だ。それはなだめるように先端で晶の唇をくすぐり、溶かされて開いた中に忍び込んできた。
「んぁ、……」
舌は内側にすべり込み、前歯をなぞる。そっと歯列を舐めあげられて吸いあげられて、濡れた音が淫らに響く。
繰り返されるうちに呼吸ができなくなっていく。息をつく隙を与えられたと思うとまた抱き寄せられて、唇を重ねられる。失った呼気の代わりに、胸に、体に、頭の芯にまで熱が流れ込んでくるような気がした。
「ふぁ、……ん、……」
甘くて熱くて苦しくて、その中で舌を絡ませられて、強く吸い上げられた。気づけば晶の腕はシューラの背に回っていて、自分から彼を抱き寄せるようにしている。そうすると、ますますくちづけが深くなった。
(接吻……、これ、が……?)
彼に貪られている。シューラが愛でてくれた唇は彼に奪われ、吸い立てられて味わわれている。そう思うと、体の奥から耐え難いまでの熱が生まれた。
「晶」
ささやきとともに、唇が離れた。涼風がふたりの間を抜けて、それをどうしようもなく冷たく感じた。改めて抱きすくめられて腕に力を込められて、そうされる間も離れたくないと感じて、シューラの胸もとを掴んだまま晶はかすれた声を立てた。
「シュー、ラ……」
彼は微笑んだ。その笑みは、今まで晶の見てきたものとは違う。心の底からのものに感じられた。濡れた瞳は晶を愛おしく包み、求め、抱きしめてくる。
「あ、っ……」
うっとりと閉じかけた目は、はっと見開かれる。耳に優しく、歯が立てられた。肌にかかる吐息は身悶えるほどに熱い。舌は耳を這いうなじをすべり、夜着の襟もとに顔を埋められて首筋に唇を落とされる。
「う、んっ……」
音を立ててくちづけられた。その音にはっと息を呑んだが、しかし体は動かない。彼のくちづけに縫い止められてしまったかのように、晶の四肢は凍りついてしまっていた。
夜着の袷をはだけられて、現れた肌にきつく吸いつかれた。全身を貫く刺激に、神経が大きく震える。
「あ、ぁぁ……!」
晒された晶のゆるやかな膨らみには、シューラの唇と舌が這った。彼の手がせわしくなく晶の衣を引き下ろそうとして、その動きが晶の体に炎をつける。見知らぬ昂ぶりがつま先にまで満ちて、足がぴんと反り返った。そんな晶の反応を喜ぶように、シューラの攻めは奥深くに忍び込もうとする。
「や、ぁ……」
夜の空気の中、はだけられた晶の胸の突起をシューラは舌で探った。それだけでまたぴりぴりと全身を走るものがあって、晶は声を洩らす。シューラの衣を掴んだ手に、力がこもる。舌はさらに胸を這い回り、尖りのもうひとつは指先で抓まれた。
手が唇が、体を伝う。胸の形を丁寧になぞられて、そのたびに声をあげずにはいられない刺激が繰り返された。
「ここ、感じますか……?」
「っ、ぁ……あ……」
「……ここは?」
返事の代わりに洩れたのは、もつれた喘ぎだ。自分のものではないような声に、体中の熱が上がる。頬が熱くなる。
涙に滲む視界には、今まで見たことのないシューラの表情が映った。彼の隠してきた怒りでも悲しみでもない、明らかな感情がまっすぐに、晶に注がれている。
「あ、ぁ、っ……」
そこにあるのは、欲情だ。そのようなものを見たことはないのに、晶ははっきりとそれを悟った。欲の漲った紫の虹彩が、潤んで濡れて光っている。それに息を呑む晶の腰あたりにシューラの手が触れ、布越しの秘丘に指を這わせてきたことに大きくわなないた。

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