黒薔薇の花嫁
純潔はふたりの侯爵に奪われる

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- 本販売日:
- 2014/04/17
- 電子書籍販売日:
- 2014/04/17
- ISBN:
- 978-4-8296-6691-3
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書籍紹介
「君は我らの花嫁だ。おとなしく抱かれなさい」
セラフィーナの誕生日に用意されたのは、黒いウェディングドレス。しきたりで、侯爵セオドールとウォレス、ダンディな兄弟に嫁ぐことに! 家族だと思っていた二人から濃密な愛撫を受け、熱く貫かれ……無垢な身体は艶めかしく調教されていく。「君を我らで独占したい」愛される悦びと戸惑いに揺れる心。それでも大切な彼らに尽くしたいと、薔薇の指輪に永遠の想いを誓って……。
登場人物紹介

セオドール
パリシア国郊外の城を所有する侯爵。ウォレスとは義兄弟。セラフィーナを養女に迎える。

ウォレス
侯爵。セオドールの義弟で、貴族にしてはワイルドな自由人。

セラフィーナ
施設にいたが引き取られ、セオドールの養女となった。大人しく健気な性格。
立ち読み
「──セラフィーナ、まだ起きていたか。少しいいかね?」
「はい……」
部屋を訪ねてきたのはセオドールだった。背広を羽織ってこそいないが、丁寧にアイロンがかけられたシャツにズボンといういでたちでネクタイもしめたまま。基本的にかっちりとした着こなしを好む彼だが、きっと夜遅くまで仕事をしていたに違いない。
それにしてもまさかこのタイミングで父までもが部屋を訪ねてくるなんて──
シーツの下に叔父が潜んでいることを知られてしまったらと、気が気ではない。
とはいえ、シーツを覆うベッドスプレッドは精緻な刺繍が施された分厚いもののため、一目見ただけではベッドの中に誰かが忍び込んでいても分からないはず……。
自分にそう言い聞かせて極力平静をとりつくろうと、彼女はベッドから身体を起こした。
「君が十七の誕生日を迎える前に少し話しておきたいことがあってね。明後日、いや、もう明日になるか」
そう言うと、セオドールはライティングデスク用の椅子をベッドの傍まで移動させてから腰掛けた。その空色の瞳は憂いに沈んでおり、眉間の皺はいつもよりも深い。
「……お父様、お話って何でしょう?」
「今まで私は君を娘として扱ってきたが、十七になればもう大人とみなし、今までと何もかもが同じというわけにはいかなくなる。むしろ君の世界は一変するだろう」
「ええ、楽しみにしています。早くお父様と叔父様に一人前の大人って認めてもらいたくて。だって、お父様たちはいつまでも私のことを子供扱いなさりすぎなんですもの」
重々しい雰囲気を吹き飛ばそうとでもするかのように、彼女はわざと明るい声で元気よく言った。
しかし、父の表情は沈痛ともいえる面持ちのまま、一向に和らぐ様子はない。
「セラフィーナ、君は大人になることがどういうことか、考えてみたことはあるかね?」
「え? それは……その……自分のおこないに責任を持つ代わりに、子供時代には許されなかった自由を得ること……でしょうか?」
同い年の友達たちと同じように自由に恋愛を楽しむこと、というのはさすがに父親の手前言いづらくて、セラフィーナは言葉を選びながら遠まわしな表現に言い換えた。
「自由か──子供にとって大人は自由に見えるものかもしれないが、むしろその逆が正しい。君の言う責任とは自由を奪うものでもあるからだ」
「お父様……」
「大人になると同時に君は大人としての責任を果たさねばならなくなる。それがオーウェン家のしきたり。正確に言えば曽祖父の代からのものだが……君がその責任に押しつぶされてしまうのではないかと危惧している」
「…………」
曽祖父の代からのしきたり──それを果たすことこそが、オーウェン家の一員としての義務。一体どのようなものなのだろう?
オーウェン家には、セオドール同様、昔からどこか得体の知れない秘密めいた雰囲気があって、由緒正しい貴族の家は皆そんなものだとばかり思っていたが、友達たちとの家とも違う何かがあると気づいたのはいつ頃だっただろう。
城内には立ち入り禁止の区域があり、地下もそのうちの一つ。
大人になるまでは立ち入ることができないと言われてきたが、それはオーウェン家の娘が十七になったときに果たすべき義務にもなにがしかの関係があるのだろうか?
尋ねてみたいと思うセラフィーナだったが、父から無言の拒絶を感じ、それ以上踏み込んだ質問をすることまではできなかった。
「大丈夫です。私、頑張ります。お父様の娘にしていただけてどれだけうれしかったか。おかげで笑顔を取り戻すことができたんですもの。いつかご恩返しをしなくちゃって思っていました。オーウェン家の一員として、きっと立派に責任を果たしてみせます。だからそんなに心配なさらないでください」
「セラフィーナ……」
「セオお父様とウォル叔父様には、本当に大切に育てていただきましたから、むしろ当然の務めだと思います」
どこまでもまっすぐな娘のまなざしを受け止めたセオドールの厳しい表情が少し緩み、セラフィーナが胸を撫で下ろしたちょうどそのときだった。
今まで静かにしていた叔父が動き始めた。
(えっ!? ウォル叔父様!? 嘘……そ、そんな……まさか……)
激しく動揺する彼女に構わず、ウォレスは彼女の太腿を指先でくすぐったかと思うと、下着を剥かれたままの秘所へと近づけていく。
「……っ!?」
セラフィーナは顔をしかめると、目を伏せて唇を噛み締めた。
くすぐったさと妖しい感覚が、太腿からゆるゆると這い上がってくる。
「セラフィーナ? どうした?」
「い、いえ……なんでもありません……」
「ふむ」
セオドールの疑惑の視線にセラフィーナはいたたまれない気持ちに駆られる。どういうわけか父を裏切っているような罪悪感に胸が締め付けられる。
だが、その間にも叔父の指が誰にも触れられたことのない場所へと近づいてくる。
太腿をきつく閉じて侵入を阻もうと試みるも、彼の指はじりじりと太腿に食い込み、そのさらに奥を目指してきた。
「お父様……わ、私、そろそろ眠くなってきました……お父様も夜遅くまでお仕事だったのでしょう? その……お疲れだと思いますし……」
セラフィーナがこわばった表情で途切れ途切れに言うと、セオドールは彼女の意を汲み取って椅子から立ち上がった。
「そうか──こんな夜遅くに悪かった。君の意志を確認できて少し安心した」
彼の大きな掌が彼女の頭を優しく撫でてきた。
昔からこうやって父や叔父に頭を撫でてもらうことが何よりも好きなセラフィーナは、目を細めて笑み崩れる。
しかし、気が緩むと同時に叔父の指が溝を掻き分け、さらに奥の狭隘な穴へと潜り込んできて息が詰まってしまう。
(そ、そ……んなところ……まで……ウォル叔父様……いやっ!?)
足をきつく閉じて括約筋に力を込めてはみるものの、いったん侵入を許してしまえばもはやどうすることもできない。
叔父の指が、誰も侵入したことがない未開の地を開拓していく。
「っ!? う……ぅ……」
こみ上げてくる声を必死にこらえてなんとかやり過ごそうとするが、どうしても息が乱れてしまう。
「セラフィーナ、大丈夫かね?」
「大丈夫……です。セオお父様……おやすみなさい。おやすみのキス……を……」
悩ましげに息を弾ませる娘を鋭い目で訝しげに見据えると、セオドールは彼女の顎を上向かせて唇を重ねてきた。否、重ねるというよりは、奪ったというほうが正しい。
いつもは頬を重ね合わせるビズーや頬にするキスだけなのに──まるで野獣のように娘の唇を奪ってきたのだ。
「ンッ!? ン……」
まさかの激しいキスに、セラフィーナはエメラルドの目を見開いて茫然自失となる。
一瞬、自分が何をされたか理解できなかったが、父親の整った顔が至近距離にあり、柔らかな舌が口中に侵入してきたところでようやく自分が置かれた状況を把握した。
(お……父様っ!? う、そ……ど、どうして……こんな……キス……)
混乱のあまり抵抗する気力も奪われ、されるがまま。
初めてのキスは葉巻の香ばしい味がして、父がいつも身につけているシトラスの香りと相まって媚薬のように彼女を酔わせる。
セオドールの舌が奥深くへと差し入れられたかと思うと、彼女の舌に雄々しく絡みついてきて、唾液もろとも甘く吸い上げてきた。
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