魔導王の征服愛 番外編 褐色のケダモノ

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- 2021/10/15
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人魚と魔獣使いの恋と魔法の物語!
魔獣使いのゼザに恋している人魚のルゥルゥ。魔導王の力で人間になれたけど、しゃべることも歩くこともままならず……。ふたりの恋は前途多難!? 『魔導王の征服愛』のサブキャラクターが主役の番外編!
※本作品は『e-ティアラ文庫マシェリ』をリニューアルしたものです。ストーリーに変更はありません。

ゼザ
ナディア王国魔獣師団長で、風を操ることもできる。人間社会に慣れていないルゥルゥを家に招く。

ルゥルゥ
一目惚れしたゼザと仲良くなりたい一心で、魔法の力を借りて人間になった元人魚の女の子。
「……かわいいんだよ、お前――」
そう言って、もう一度唇を合わせてくる。ルゥルゥの唇ごと覆うような口づけをして、
「俺のことが好き――っつったよな?」
そう言った彼の瞳には、なにか得体の知れない熱情が宿っている。
胸がどきどき騒ぎすぎて、声を出すこともできない。ルゥルゥはただ、小さくうなずいた。
耳朶に、そっと彼の唇が触れた。
「俺だって、お前の言う交尾ってやつ、したいよ――」
「ん――」
「いいんだな?」
目を閉じてうなずくと、耳朶に触れていた唇が、頬に触れ、またルゥルゥの唇に触れた。
唇の表面を、ざらりと舐められて思わず唇の力がゆるんだ。
「――んぅ……」
自分の口から漏れた声は、甘ったるく潤んでいる。
いつか、のぞき見した人間の男女の交尾のとき、人間のメスは別人のように甘い声であえいでいたけれど――それと同じ音が、ルゥルゥの喉からも出た。
夜着の上からルゥルゥの胸元を、彼の褐色の指がまさぐっている。ふくらみの中心に触れられた瞬間、その部分が切なく疼いた。
甘く痺れるような感覚にとまどう。突起の部分を強弱を付けて弄られているうちに、じわじわとそこが熱く尖ってゆく。
「……あぁん……」
乳頭に火が付いたように熱い――熱さが乳房全体に広がってゆく。身をよじると、胸に溜まっていた甘苦しい熱が、じわり、とお腹の奥にしたたり落ちたような気がした。
(これ……なに……? あぁ……)
人魚の身体では知り得なかった感覚に、ルゥルゥはとまどいながらも溺れてゆく。
視線を上げると、モザイクランプの赤い光に染まるゼザの姿がある。
赤い光に浮かび上がる引き締まった褐色の肉体は、息を呑むほどに美しい。琥珀色の瞳は、神秘的な蠱惑に満ちている。
野生の獣のように気高く気まぐれな美しさを持つ彼の手が、ルゥルゥに触れている。
(夢みたい――)
だけど、こんなにも生々しい感覚が、夢であるはずがない。
腰をくねらせ、初めて与えられる官能に身悶えするルゥルゥに、ゼザは、
「お前、こういうの初めてなんだよな。そう思えないほど感じてるみたいだけど」
言って、きゅっ、と尖った乳頭をつまんでくる。
「――あんっ!」
ひときわ強い快感に、嬌声が上がった。同時に、お腹の奥底で生じた熱が、脚の間からとろりとこぼれる。
そのことが、彼にもわかってしまったのだろうか。
ゼザの手が、ルゥルゥの内ももに触れた。かと思うと、脚の付け根の奥にある、官能のしずくで湿った秘裂を、指の腹でなぞられた。
人魚であったころには身体になかったその器官は、彼の愛撫に異常なほど敏感に反応し、火酒のように熱い蜜をあふれさせている。
「――うぅ……んぅ……あ、つい……」
「だなぁ。熱くて、いやらしい匂いがしはじめた」
「……い、やらしい……の?」
驚くルゥルゥに、ゼザは熱い吐息とともに、
「ああ。人間のオスを誘う匂いがしてる。ここから」
「っ! ひゃっ……!」
粘膜でできた秘裂の内部を、彼の指がゆっくりと往復している。くちゅり、と濡れた音が耳についた。身の奥から分泌された、この不思議な液体から、オスを誘う香りが漂っているのだろうか――
ぬるり、と彼の指先が、秘裂の内部でうごめいた。陰唇の一枚一枚を、蜜口のまわりを――人間のメスの生殖器のかたちをルゥルゥに意識させるかのように、丁寧に愛撫している。
――なんだか、異常なくらいに恥ずかしい。そんな気持ちになること自体、人魚であったころにはめったにないことだったのに……
「……だめ……ゼザくん…だめ……」
「だめなのか? なんで?」
問いかけてくる低い声音が、身体の奥にまで響くようだ。
言いながらも彼は、指先でルゥルゥの蜜口のまわりをゆっくりとなぞっている。
「そこ……さわられ、る、と……、はずか…しい……」
「ふぅん――イヤなのか?」
ルゥルゥは首を横に振った。
イヤではない。ただ、恥ずかしくて仕方がない。
「じゃ、もっと恥ずかしがらせてやろっか」
くっ、と蜜口の内部に、彼の指先が侵入してくる。
「っ!」
痛みと驚きを感じた後に、震えるほどの羞恥がせり上がってくる。
「――だ、めっ……だめぇ! あぁんっ……」
「なんでだよ? 恥ずかしがってるルゥルゥ、すっごくかわいいぞ?」
声音に、愛しげな感情が混じっている。
けれど、いまのルゥルゥにそれを感じとる余裕はない。
少しずつ少しずつ身体の中へと入ってくる硬い指に、蹂躙される快感を呼び起こされてゆく。
はじめて異物を受け入れた蜜洞は、とまどいながらも熱くとろけてゆくようだ。
「うっ……あぁん……あ、つい……」
「いい反応するな――お前の身体。たまんないよ」
彼が精悍な顔を、ルゥルゥの顔に寄せてくる。ちゅっ、と音を立てて頬に口づけられて、それから唇にも口づけられた。
甘ったるい熱のせいで、頭がくらくらする。
(ああ……)
異様な熱で昂ぶっていた身体が、幸福感で満ちてゆく。口づけは互いの身体を味わうときの極上の甘味になることを、ルゥルゥは身をもって知ってゆく。

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