過保護な軍人皇帝の逃げた花嫁

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- 本販売日:
- 2016/12/16
- 電子書籍販売日:
- 2016/12/16
- ISBN:
- 978-4-8296-6783-5
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逃げても、逃げても
甘やかに囚われて――
「花嫁に迎えたい」ジンに組み敷かれて艶っぽく囁かれ、ラキスの胸は喜びに震える。敏感な下腹部を指で愛撫されれば官能の波に飲み込まれ、ますます彼のことが好きになる。このままずっと一緒にいたい……。でも彼は皇帝陛下! 身分差を気にして逃げ出すラキスに「そなたは余のものだ」と執拗に追いかけて来て、熱く抱かれてしまい――!? 逞しく傲慢な皇帝に溺愛される極甘求婚!

ジン
海洋国家、ウェン=ルー帝国の若き皇帝。傲慢で強引、カリスマ性もある。図書館で出会ったラキスを気に入り、花嫁にしようとする。

ラキス
グエンディエン島の藩主の娘。おっちょこちょいで何もないところで転んだりする。ジンが皇帝と知らずに恋に落ちるが……。
ジンはラキスの体を背中から抱きしめて、布地の上から胸をまさぐった。
いつも身に纏う洋装と違い、コルセットは体を締めつけない簡易なものを身につけているだけだ。大きな手に乳房を揺さぶられて、ラキスは真っ赤になって固まった。
「や、やめ……いやぁ……あぁっ……い、痛いっ」
力が強いジンの手に荒ぶられると、ラキスのまだ誰にも侵されていなかった双丘は愉悦を感じるより、鈍い痛みを覚えた。
「ラキスは着やせするほうだな……ドレス姿から想像していたより、意外と胸が大きい。こうやって直に触れると、余の手に吸いついて、よくわかる」
男の手に胸を触られるのも、そんなふうに自分の胸について評価されるのも、ラキスは初めてだ。
後ろから抱きしめられているせいで、体はほとんど身動きできなかった。筋肉質な胸板に背を覆われたまま、ジンのされるままになるしかない。
いくら嫁入り前とはいえ、ラキスはもう十八歳だったから、これからジンがなにをしようとしているのかは薄々わかっていた。本来なら結婚式を挙げたあと、初夜を迎えてする夫婦のまぐわいを、この寺院ですまそうというのだろう。
「ま、待って……わ、わたしはこんな結婚、認めないんだから……あぁんっ」
身をくねらせて抗う花嫁の胸を、皇帝の手がゆっくりと揉みしだいていくうち、痛みに愉悦が入り混じるようになっていた。
「こ、こんな一方的な……は、ぁ……あぁんっ」
服の上からでも胸の先が硬くしこっているのを悟られ、そこを集中的に責め立てられると、ラキスの体はびくびくと跳ねた。口ではどんなに抗おうと、体は簡単に快楽に揺れる。
悔しいけれど、ジンの指先は、どうすればラキスの体は気持ちよく感じるのか、よくわかっているようだった。
「帝都で『でぇと』をしたとき、ラキスだって余の花嫁になるとうなずいたではないか」
確かにうなずきはした。でも、あれは詐欺のようなやり口だったはずだ。思い出すだけで、むっとした心地がよみがえる。
「わ、わたしに考える隙も与えずに、ジンが『はい』と言えと迫ったからでしょう!?」
「ほう……余が命令したからラキスもうなずいただけで、本当は余と結婚する意思はなかったというのか?」
低い声にどこか獰猛な気配が混じり、ラキスは思わず身構えた。
ジンはいつも命令に慣れた物言いをする。けれどもそれとは別に、まるで捕食動物が獲物を捕らえようと息を潜めた瞬間のような、鋭い目をするときがある。
それはカリスマを持つ皇帝の快活な我が儘ではなく、なにがなんでも臣下に自分の言うことを聞かせる暴君のようにも見える瞬間だった。
低い声を出したジンは、ラキスの体を床に転がすと、ドレスの裾を捲りあげ、太腿に触れる。薄い下穿きを引きずり下ろされると、下肢を守るものはもうなにもなかった。
「な、なに……ふ、ぁ……ダメ、その先はいやぁ……あぁっ」
下肢の狭間に指先を伸ばされ、恥毛をかき混ぜられたとたん、ラキスはぎくりと身震いした。割れ目で指先が動くと、ぐじゅりという濡れた音がした。恥ずかしいのと快楽を感じるのとで、頭が真っ白になる。
「ひぃ、あ……やぁんっ……ジン、お願い……やめ……あぁっ!」
「やめるなどと……ラキスのここはもう濡れているではないか。余の指戯に感じているのだろう?」
耳元に囁かれる声がやけに艶めいて聞こえて、それだけで背筋がぞくぞくした。
ジンの誘いかけるような声が怖い。その声の色気に体中を侵されて、考える余裕もなく従いそうになる。
「ラキス……気持ちいいなら、いいと素直に言え……そうすれば、余はもっとそなたを気持ちよく淫乱にしてやる」
吐息混じりの声を囁く間も、ジンは指先の責め立てをやめない。
淫唇をやわらかく撫でたかと思うと、粘ついた液を指に絡めて、割れ目をつーっと辿る。
ラキスの体がどこで一番反応するかを確かめるように、もったいつけた指先が動く。
「あぅ、あぁ……ひ、あ……あっあっ……!」
ぐじゅぐじゅといやらしい音を立てて指先が感じる淫芽を探り当てたのだろう。弄ばれているラキスの腰がびくんと揺れた。
それを合図に、またジンの指の動きが激しくなり、ぶるりと体の芯から耐えがたい愉悦が起こる。ラキスはその官能の波に飲みこまれそうになっていた。
──やだ。こんなの、怖い……。
自慰もしたことがない処女の身には、快楽がまるで悪魔の毒牙のように思える。
そんなラキスの気持ちを知っているのか、ジンはラキスをどんどんと快楽に上りつめさせた。
「やぁ……ジン、ダメぇ……あぁん……ふ、ぁ……あぁんっ」
逃れるように身をくねらせても、腰を掴まれたままで、淫唇を侵す指先からは逃れられない。
「余が許す。花嫁は淫らに快楽を貪るがよい」
傲慢な命令に、体が勝手に従ったのだろうか。
指先が一番感じる場所を弾いたとたん、ラキスの体はびくびくと痙攣したように震えた。
「ひぃ、あぁ……あぁ────!」
一瞬、自分が本当に真っ白な波に飲みこまれたかと思った。
ふぅっと意識が吹き飛んで、ひどく気持ちいい。
快楽に堕ちてしまったという背徳感は残っていたけれど、それさえ甘美な官能とない交ぜになって、恍惚とさせられていた。
「イったか……心地よかったであろう? 余はラキスをもっと気持ちよくさせてやろう」
「イった……?」
「そうだ。絶頂に上りつめることを、『達する』とか、『イく』などと言う。その様子からすると、余がラキスをイかせた初めての男のようだな」
ジンはなぜかひどくうれしそうな声を出して、ラキスの臀部に軽いキスを落とした。
「余はラキスにもっと淫らな快楽を刻みつけて、余のことしか考えられなくしてやろう」
ジンの執着めいた言葉にぞくりとおののくのに、心のどこかでは喜んでいる自分がいる。

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