麗しの王太子は夜に淫らな獣と化す

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- 本販売日:
- 2018/01/17
- 電子書籍販売日:
- 2018/01/17
- ISBN:
- 978-4-8296-6821-4
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だめです、外でなんて……
夫のオーギュストは紳士的な王子様なのに、夜は一変。貪るようなキスや執拗な愛撫、激しく突き上げる力強い怒張に喘がされて……。「どれだけ抱いても飽き足りない。おまえだけを求めている」執着の言葉に満足感を得るグレーフィン。昼の顔と夜の顔――二つの顔に困惑しながらも、明るい夫婦生活を迎えたある日。こっそり外出した王子の後を追うと、衝撃の真実が明らかに――!?

オーギュスト
紳士的な王子ではあるが、どこか余所余所しく儀礼的。夜になると態度が一変する。何か大きい秘密を抱えている模様。

グレーフィン
公爵の娘。政略結婚でオーギュストの妻になる。人形のような可愛らしい容姿をしていて大人しい性格。オーギュストが夜に見せる顔に惹かれていく。
もうすぐ、彼がやってくる。
この静寂の中、足音も立てずに、この部屋に忍び寄ってくる。
部屋の前で気配がした。
それを心待ちにしていたグレーフィンは、寝台から飛び起きて、部屋の入り口に駆け寄る。
ちょうど、オーギュストが入り口から闇にまぎれるようにして身体を滑り込ませてきたところだった。
グレーフィンは両手を広げてオーギュストに飛びつく。
オーギュストは、ランタンを手にしたまま、片手でなんなくグレーフィンを受け止め、抱きしめてくれた。
くちづけが落ちてくる。
グレーフィンはそっと目を閉じる。
ころあいを計るのも上手くなった。もう、目を開けたままだと笑われることもない。
唇を吸われた。
舌をすくい、甘噛みしたあと、歯の裏側をなぞって、くちづけは離れていく。
「会いたかった」
耳もとに触れた唇がささやいた。
グレーフィンも答える。
「わたしも……」
互いの声は今にも闇に溶け入りそうなほどか細くかすれていたけれど、隠しきれない熱情を孕んで甘く震えていた。
寝台まで待ちきれないとばかりに、オーギュストは、傍らにランタンを置いて、グレーフィンを両手で力いっぱい抱きしめる。
あたたかい掌が、輪郭を確かめるように細い身体の上を這い回った。
亜麻色の髪が頬に触れ、首筋を唇が伝う。
早くも、じん、と痺れの走る身体を持て余し、グレーフィンが伸び上がると、夜着の上から胸のふくらみに額をこすりつけられた。
「……あぁ……。殿下……」
吐息が潤む。
胸の頂が夜着の薄い布地を押し上げるようにして尖っていく。
オーギュストは夜着の上から薄い布地ごとそれを唇に含んだ。
薄い布地の内側にオーギュストの吐息がこもって、背中がぞくぞくする。
薄紅色をした敏感な部分に布地がこすれて生み出される、痛いのとくすぐったいのの間のような、やけにざらざらした感触がじれったい。
そのまま、ふたり、もつれ合うようにして、寝台に倒れ込んだ。
オーギュストが、やわらかいリンネルの上に横たわるグレーフィンの夜着を、せわしない手つきでたくし上げる。
ゆったりとした夜着はオーギュストの手をろくに煩わせることもない。
簡単にみぞおちまでを露わにすると、オーギュストは、グレーフィンのすんなりした両脚を開き、ためらうことなくそのあわいにくちづけをする。
「あっ……。いやっ……。そんなの、だめ……」
グレーフィンは、足をばたつかせ、身をよじった。
だが、オーギュストの力は強く、すぐになんなく押さえつけられてしまう。
「どうして? 何がだめなんだ?」
そう問う間もオーギュストの唇はくちづけを繰り返す。ふっくらした丘の上を、慎み深く閉じた合わせ目を、やさしく愛撫するように伝う。
「だって……」
グレーフィンは半泣きになって訴えた。
「……いけません……。そんなところに、くちづけするなんて、いけないことです……」
「どうして?」
オーギュストの舌が伸びてきて、グレーフィンの秘密の扉をそっと開いた。
「あぁっ……」
「ここは、『そんなところ』じゃない。いつも俺を受け入れてくれる、おまえの一番かわいいところだ」
「殿下……。お許しを……。お許しを……」
「きれいなばら色だ。今は蜜に濡れて光っている」
オーギュストの舌先が中を探る。
「あぁっ…。殿下……。殿下……」
「中は……、熱い……。それに、もっと、鮮やかなばら色だ……」
尖らせた舌先が隘路を割って侵入してきた。
「あぁ……、あ、あ、あ……」
指ともオーギュストの剛直とも違う、やわらかでぬめる感触。
痛くはない。
ただ、ぞくぞくする。
背筋が熱い。
こんな淫らなくちづけがあるのだと思ったこともなかった。
これは淫ら過ぎる。
淑女のしていいことではない。
背徳の思いが背筋を凍らせた。
けれども、それよりも、もっと熱くもっと激しい熱が、どんどん湧き上がってきて、ためらいを溶かしていく。
すぐに熱に支配され、身体の奥が震え出した。
オーギュストは、隘路に舌を入れたり出したり、やわらかな襞を吸い上げたりしながら、夜着の上からグレーフィンの乳房をつかむ。
「ああっ……」
やさしく乳房を揉みしだかれ、あわいには淫らなくちづけを受けて、次第に何も考えられなくなってきた。
熱い。ただ、熱い。
身体も。頭の中も。そして、腹の一番奥深いところも。
びくびく、とオーギュストの淫らなくちづけに応えていた襞がひときわ大きく震えた。
「ひあっ……」
今まで感じたこともない異様な感覚に驚いて、グレーフィンは目を瞠る。
足が勝手にわなないていた。
額にはびっしょりと汗がにじんでいる。
(なんなの……? わたし、おかしくなってしまったの……?)
だが、オーギュストは満足そうに笑っていた。
「いけないことをしてるって思うと、余計に興奮するだろ」
「……わ、わたしは、怖くなります……」
「そうか? でも、おまえの身体は興奮してる」
さっきまでくちづけをしていた場所に今度は指を入れられた。
くちゅ、と濡れた音がする。
そこは恥ずかしいほどに蜜を垂れ流している。
「……いや……」
真っ赤になってしまった顔を両手で隠すグレーフィンに覆いかぶさり、オーギュストが腰を入れる。
既に、交わるのにあのあやしげなものは必要ない。
グレーフィンの身体は、オーギュストの手によって、少しずつ花開きつつある。
ず、ず、と段階的に、熱く滾ったものが隘路を開いて入ってきた。
「あ……」
唇が解ける。
痛みは感じなくなったものの、狭い内側をこじ開けられるこの瞬間にはまだ慣れない。
ずん、と突き上げられるような衝撃が間断なく身体の奥深いところに響いて、悲鳴とも、喘ぎともつかないものが、唇からはひっきりなしにあふれ出す。
「あ……、あ……、あ……」
ついに、切っ先が一番奥まで届いて、胸が合わさった。

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