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好きな人に惚れ薬を飲まされました!

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書籍紹介

両想いだからイチャイチャしてもいいですよね?

憧れの侯爵・ヒューゴ様に惚れ薬を飲まされた私。薬のせいにして大胆に迫ってみたら、幸せな溺愛生活が待っていた! 「もっとして欲しいってエルザの口から聞きたいな」はしたなく尖った乳首を弄りながら、淫靡に誘うヒューゴ様。羞恥に堪えつつ甘くねだると、極上の快感が全身を駆けめぐり――。両想いなのに誤解で別れ話になるけど、真実を告げたら最高のハッピーエンドに☆

ジャンル:
西洋 | ファンタジー
キャラ属性:
王子・王族・貴族
シチュエーション:
年の差 | 幼馴染・初恋の人 | 甘々・溺愛 | お風呂・温泉
登場人物紹介

ヒューゴ

ライトマイヤー侯爵。紳士的な振る舞いで社交界では人気の貴族。エルザに惚れ薬を飲ませてラブラブできるのが嬉しい反面、罪悪感を持っている。

エルザ

マーカットン伯爵令嬢。19歳。ヒューゴに恋しているが、恥ずかしくて想いを告げることができない。惚れ薬に乗じて大胆になっていくが……。

立ち読み

「どうぞ。ご注文の品です」
「わあ……素敵」
 王都の大通り沿いにある『ぬいぐるみ専門店 メルト』。
 そこで私──エルザ・マーカットンは、女性職人から本日発売のクマのぬいぐるみを受け取っていた。
 手渡されたクマのぬいぐるみを両手で抱える。丸いフォルムの一抱えほどもある大きなぬいぐるみが、キュルンとした瞳で私を見ていた。
 ──なんて愛らしいんだろう。
「すごく、すごく可愛いわ……!」
 心からの笑みを浮かべる。ふわふわの触り心地も完璧だった。
「ありがとうございます。ご満足いただけたようで何よりです」
 私の反応を見た、ぬいぐるみ職人であり店主であるメルトさんが安堵の表情を浮かべる。茶色のぬいぐるみには首にレースのリボンが掛けられており、それがまたクマの可愛らしさを引き立てていた。
「はあ……本当に可愛い」
 支払いを済ませ、抱き締める。
 メルトさんからは包装を申し出られたが断った。このまま一緒に屋敷に帰りたかったのだ。可愛いこの子と町を歩きたい。そう思っていた。
 ソワソワしていると、メルトさんが笑顔で話し掛けてくる。
「エルザ様。次回はウサギのぬいぐるみの販売を予定しています。少しお時間は掛かりますが、その際は是非よろしくお願いいたします」
「ええ、もちろん購入させていただくわ。予約表の一番上に名前を書いておいてちょうだい!」
 絶対に可愛いやつだ。確信した私は即座に予約を決意した。メルトさんが嬉しそうに笑う。
「かしこまりました。いつもありがとうございます」
「あなたの作るぬいぐるみは、毎回とても素敵だもの。買わないという選択肢がないわ」
 この店の存在を私が初めて知ったのは、七年ほど前。
 店のショーウィンドウに飾られているぬいぐるみに一目惚れしたのが始まりだ。それ以来、新作ぬいぐるみが発売されるたびに、父からもらったお小遣いで購入している。
 私は小さい頃から可愛いものに目がなくて、ぬいぐるみやレース、リボンといった品々に心を躍らせてきた。それは十九歳になった今も変わらず、部屋の中は私の大好きな可愛いもので溢れかえっている。
「それではまた来るわね。新作の発売日が決まったら屋敷に連絡をちょうだい。当日に取りに行くから」
「かしこまりました」
 笑顔のメルトさんに見送られ、店を出る。
 買ったばかりのクマのぬいぐるみはふわふわのもこもこで、叫びたくなるほど可愛い。絶対に今夜は一緒に寝ると私は心に誓っていた。
「ふふ……本当に可愛いわ」
 キュウッとぬいぐるみを再度抱き締める。
 私が『ぬいぐるみ専門店 メルト』のファンなのは、形も好みなのだが、何よりもその表情にときめくからだ。皆、とても良い顔をしていて、今にも話し出しそうな気配さえする。
 可愛らしいぬいぐるみ。
 十九歳にもなってぬいぐるみを抱えながら歩くのはどうなんだと思う人もいるかもしれないけれど、私は全く気にしていなかった。
 好きなものを隠す趣味はなかったし、幸いなことに私の外見が『いかにもぬいぐるみが好きそう』な感じだったからだ。
 腰まで波打つ髪はピンクブロンド。くるんとした大きな瞳は明るいライムグリーンだ。
 童顔というほどでもないが、顔立ちは可愛い系統で、身長は低め。昔からお人形さんのように愛らしいと言われて育ってきた。
 私も自分の外見は好きなので、その言葉は賛辞として受け取っている。
 もちろん、着ているドレスも『まさに』と言われそうなもの。想像はつくだろうが、レースがたっぷりついたフワフワのドレスを好んで選んでいる。
 胸元にリボンのあるピンク色のドレスを着た私は、自分で言うのもなんだが可愛いの一言だ。皆も喜んでくれるし、大人っぽいシンプルなドレスなんて着れば、その方がおかしいと思ってしまう。そもそも似合わない。
 そんな私とぬいぐるみという組み合わせは恐ろしいくらいに嵌まるらしく、ぬいぐるみを持って町を歩いていても、誰も笑ったりしない。それをいいことに好き放題出歩いているというわけだった。
 私は伯爵家の令嬢だが、町は治安がよく、昼間なら一人で出歩いても問題ない。それに屋敷は徒歩二十分ほどの場所にあるから、ぬいぐるみ店に出掛ける程度なら、軽い散歩として許してくれるのだ。
 私がぬいぐるみを買いに行くのは最早生活の一部。家族もまたか、くらいにしか思わない。
「あら?」
 上機嫌で店を出たところで、店のショーウィンドウを覗き込んでいる人に気がついた。
 珍しい。男の人だ。
 成人男性と思しき人が、ショーウィンドウに張り付くようにして、並べられているぬいぐるみを見ている。
 男の人は肩まである金髪で、全く似合っていない眼鏡を掛けていた。身長が高い。服装は平民が出掛ける時のようなチュニックと長めの上着だったが、これも合わせ方がいまいちすぎて顔を顰めたくなる。だけど、生地と縫製が良いのでおそらくはお忍び中の貴族だろうと推測した。
 変装。それなら髪はカツラで、眼鏡も本当は必要ないのかもしれない。
 わざとダサい格好をして、素顔を知られづらくしているのだろう。
 正体は分からないかもしれないが、悪目立ちしていることには気づいて欲しい。
「……」
 彼の目は、ショーウィンドウの中に飾られたクマのぬいぐるみに釘付けだ。
 本日発売の新商品。私が今抱えているものと同じ。
 もしかしてだけど、欲しいのだろうか。
 立派な成人男性がまさかと疑ったが、あまりに真剣に見つめているのでそうかもしれないと思えてくる。
 いやでも、プレゼントという可能性も捨てきれない。
『メルト』のファンは多く、家族や恋人から店の話を聞いて、贈り物を買いにきた線もなくはないと思った。
 だがしかし、残念なことにこの店の品は基本全て、完全受注生産という形を取っている。
 たまに数体、予約なしで買える時もあるが、このクマに関しては予約分だけしか作られていない。とても人気で、予約すらできなかった人がいると先ほどメルトさんに聞いたのだ。ディスプレイされているのは、見本で売り物ではない。
 だから彼がいくら欲しくても手に入れられないのだが……あまりに必死な様子に、気づけば声を掛けていた。
「あの……」
「え」
 声を掛けられたことに気づき、男の人が振り向く。眼鏡越しに見えるのは綺麗な紫色の瞳。その瞳が大きく見開かれた。
 ──ふうん。
 妙な変装をしてはいるが、顔立ちは整っている。誰かは分からないが、夜会で会ったことがある人かもしれない。もちろん、特定するつもりなんてないけれども。
 貴族の成人男性がぬいぐるみに興味があると知られたくないのだという気持ちは、分からなくもないからだ。
 私は何食わぬ顔で彼に問いかけた。
「違っていたら申し訳ありません。もしかして、そのクマのぬいぐるみが欲しいのですか?」
「えっ……」
 私の疑問に、男性は明らかに動揺した。気まずげな顔。その瞬間、私はプレゼントという可能性を捨て去った。
 贈り物で、こんな表情をするはずがないと思ったのだ。
 私はギュッとぬいぐるみを胸に抱き締めながら彼に言った。
「残念ですが、その子は完全受注生産なんです。ですから……」
「え、でも」
 彼の視線が、私の抱えたぬいぐるみに移る。私は苦笑しつつも彼に言った。
「三ヶ月前に予約して、ようやく今日迎えに来られたんです」
「あっ……その、すみません」
「いいえ」
 首を横に振る。私が彼だったとしても気になっただろうから、不快には思わなかった。
 自然な感じを装い、彼に聞く。
「贈り物、ですか?」
「……いえ」
 男性は躊躇した様子を見せたが、わりあい正直に首を横に振った。
「笑われても仕方ないと分かっていますが、私が好きなんです。その、あまりにも好みの子だったもので、つい立ち止まってしまいました」
「まあ」
「……お恥ずかしい話なのですが、一目惚れです。今まで、こんな店があるなんて知らなかった。人気の店なのですか?」
「はい。すごく可愛いぬいぐるみを売っている店で、予約外で手に入れるのは正直難しいかと……。私も毎回予約しているんです」
「そうですか。教えて下さってありがとうございます」
 ふわりと微笑む男性。その表情は柔らかく、彼が本当にぬいぐるみ好きなのだとよく分かった。
 男性ではあるけれども、同好の士だ。何か情報でもと思った私は口を開いた。
「あの、先ほど職人の方に伺ったのですが、次回はウサギを作ると言っておられました。興味があるのなら予約すれば──」
 今からなら十分間に合う。そう思ったのだが、男性はきっぱりと断った。
「いえ、結構です。私には店内に入る勇気すらないんです。こうして変装しても、いつ知り合いに気づかれるかと結構ビクビクしていましてね。小心者なんですよ」
「……贈り物だと誤魔化せばよろしいのでは?」
 自分のものだと知られたくないのならそういう方法もある。実際、恋人か娘にプレゼントすると言えば、大抵は納得されるだろう。助言のつもりだったのだが、男性は「駄目ですよ」と柔らかい口調で言った。
「そういう嘘は吐きたくないんです。私のような中途半端な男は、ショーウィンドウを眺めているくらいがちょうどいいのですよ」
「そんな……」
「私がぬいぐるみを欲しいと知っても、引かないでくれてありがとうございます。それでは」
「っ! 待って!」
 男性が丁寧にお辞儀をし、去ろうとする。それを私は咄嗟に引き留めた。
 不思議そうに男性が振り返る。その彼の胸元に、私は持っていたクマのぬいぐるみを強引に押しつけた。
「この子、あなたにプレゼントします!」
「え……?」
 男性が目を丸くする。こんな時だが、彼の左目の下に黒子があることに気づいてしまった。何とも言えない艶があり、そんな気はないのにドキドキしてしまう。
 ──すごい、色気のある人。
 ダサいと思っていたが、近くで見ると、顔立ちがとても整っているのが分かる。もしかしたら、社交界で有名な人かもしれない。多分、私の知り合いではないと思うけど。
 さすがに知り合いなら、ここまで至近距離に来れば気づくと思うのだ。
 それなら誰──と思いかけ、無粋だと考えることを止めた。
 隠しているのに正体を暴こうとするなど、していいことだとは思えない。
 彼は私に押しつけられたクマのぬいぐるみに気づくと、驚愕の表情を浮かべた。
「どうして……? この子はあなたが三ヶ月前から予約して手に入れた大切な存在ではありませんか」
「そうですけど、構いません。あなたに差し上げます」
 彼にクマのぬいぐるみを押しつけながら私は言った。
 どうして自分がそんなことをしているのかさっぱり分からない。発売されるのを楽しみに待っていた子を、何故今日会ったばかりの、しかも変装しているような男性に渡してしまおうとしているのか、自分で自分が理解できなかった。
 ──でも、嫌だったのよ。
 このまま彼に手ぶらで帰られてしまうのが、許せないと思ってしまった。
 メルトさんのぬいぐるみを、彼が今後手に取る可能性がなくなるというのが、嫌だと思った。こんなに素晴らしいぬいぐるみなのだ。この良さを彼にもぜひ知ってもらいたい。
 だから私は彼にぬいぐるみを押しつけた。
「私の屋敷にはこの子の他にも可愛い子がたくさんいます。私はこの店の長年のファンですからね。だから一体くらい里子に出しても大丈夫なんです。どうかこの子を連れて帰ってやって、そして可愛がって下さい。あなたが可愛いと思ったものを、どうか諦めたりしないで……!」
「っ!」
 私の言葉に、男性が息を呑んだのが分かった。
 怖ず怖ずと押しつけられたぬいぐるみを受け取る。彼はぬいぐるみを自分の目線の高さまで持ち上げると、破顔した。
「ああ……可愛いな」
 声が震えている。今にも泣きそうな響きに、私の方が涙が出そうになった。
「……でしょう? 自慢の子です。どうかあなたの屋敷で幸せにしてやって下さい」
「……でも、本当に構わないの?」
 口調が崩れている。
 もしかしたらこちらが彼本来の話し方なのかもと思いながら私は頷いた。
「ええ、もちろん。私が言い出したことですもの」
「……ありがとう」
 大切そうにぬいぐるみを抱き締め、男性は深々と頭を下げた。
 それを確認した私は男性から距離を取ると、「それでは」と言った。
 長居するつもりはなかった。
「私はこれで。また、どこかでお会いできれば嬉しいです」
「あっ……!」
 男性が何か言いかけたが、私は無視して歩き出した。
 彼は自分が何者か知られたくないようだったし、お節介をした自分が急に恥ずかしく思えてきたのだ。
 ──嫌だ! 恥ずかしい!
 心臓がバクバクと音を立てている。顔が赤いのが確認しなくても分かった。
 ぬいぐるみを譲ったことを後悔してはいないが、今更ながらに何をしているんだろうという気持ちになってくる。
 初対面の男性にぬいぐるみを渡すという大それたことを、自分ができたなんて今でも信じられない。
 追いつかれないよう、できるだけ早足で歩く。角を曲がったところで後ろを向いてみたが、追いかけてくる気配はなかった。
「……よかった」
 ホッと胸を撫で下ろす。
 追ってこられたらどうしようかと思った。
 今、何を言われてもきちんと答えられる自信なんてなかった。
 ただ、譲ったぬいぐるみを大切にさえしてくれたらそれでいい。そして彼ならきっと大事にしてくれるだろうという謎の確信があった。
「うふふ。ぬいぐるみ仲間が増えたわ」
 次、会えるかも分からない人だが、大好きな職人さんのぬいぐるみを布教することができたのは嬉しかった。
 譲ったクマのぬいぐるみを気に入ってくれたら、次のウサギのぬいぐるみは、もしかしたら勇気を出して予約してくれるかもしれない。
 お得意様が増えるのはメルトさんも嬉しいだろうし、私もぬいぐるみ仲間が増えるのは大歓迎だから、全くと言っていいほど後悔はなかった。
 ただ、手ぶらで帰ることになるから、家族には何があったのか聞かれるだろうけれど。
「話せば分かってくれるわよね」
 それとも呆れられるだろうか。それならそれで構わない。
 譲ってよかったと、私は思っているのだから。
「さ、帰ろうっと」
 家路を辿る。
 残念ながらぬいぐるみコレクションは増えなかったけれど、それ以上の収穫があったから、私はとても上機嫌だった。

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