戻る

とびきり甘い政略結婚 1

第一話

 

 リリー・ブロンソンは、月明かりが差し込む私室に独りでいた。
 今夜は満月。もう随分と高いところまで昇っていた。蝋燭が不要なほど明るく、そのせいか余計に落ち着かなかった。
(ダメよ、冷静でいなくちゃ)
 気持ちを持ち直そうとしたところで、まだ十一歳のリリーには、不安が胸を蝕んでいくのを抑えることは難しかった。いつも丁寧に結い上げている金髪がほつれ、頬に当たる。
 グリーンベルト王国の臣下公爵であるブロンソン家は今、夫人の出産で大わらわだ。
 リリーの母はすでに鬼籍に入っており、姉二人は成人して他家に嫁いでいる。産所にいるのは、継母のエレノラだ。
 継母との仲は悪くない。穏やかな気性の人で、細やかなことに気づき、リリーにも優しい。だが、彼女が妊娠したと父から聞かされた時、リリーは足元がぐらつくようなショックを受けてしまった。
 無論、再婚したのだから、異母弟妹ができる可能性はゼロではないことを、まだ子どものリリーでもわかっていた。
 妹なら問題はない。
 だが、もしも、生まれてくるのが弟だったら──。

『リリーよ、よく聞きなさい。お前はブロンソン家の嫡子だ。私はお前を、男同然に扱うことにする』
 物心つくかつかないかの頃、もっとも古い記憶だった。
 父は、末娘のリリーにそう宣言した。
 結婚を控えていた姉二人は、猛反対した。母はすでに亡くなっていた。
『お父様、あんまりです。養子を迎えるか、婿を取るかすればいいではありませんか』
 長姉が涙ながらに訴えた。次姉も、リリーを抱きしめながらそれに頷く。
『我がブロンソン家は、養子にも婿にも家督を譲らず、代々当主の嫡子が継いでいる。私の代でそれを変えるわけにいかない』
『それはたまたま、代々の当主に男児が生まれたからですわ!』
『ブロンソン家が、この国で最も古い臣下公爵である以上、守らねばならないことがある。……そのためには、歴代の当主と同じ教育が必要なのだ』
『そんな……』
『……リリーが男でありさえすれば、私とてこんなことは言わんよ』
 父の声が震えていることに、幼いリリーは気づいていた。
 なかないで、ちちうえ。わたしは、つよくなります。
 まだ舌足らずな口で、リリーは自分の生きる道を宣言した。

 あの日から、父の当主教育は始まった。
 玩具を取り上げられ、剣を持ち、毎日勉学に励んだ。
 最初の頃こそ、姉達がこっそりと庇ってくれたが、彼女達はすぐに嫁いで家を出て行ってしまった。
 だがリリーはめげなかった。
 確かに父の命令ではあったが、幼いリリーは受け入れることを決めたのだ。それは間違いなく自分の意思だ。家を守るために必要だと理解していた。
 剣も勉学も最初こそ辛かったが、慣れると楽しくなった。体力がつくと、馬に乗ることも許された。知識が増えていくと読める本の幅も広がった。
 だが華やかな衣装をまとうことや、針仕事は禁止だった。リリーは姉達から、密かに刺繍を習っていたのだが、裁縫道具は彼女達のものだったので、嫁ぎ先に持参していってしまった。
 でも、耐えられた。
 自分は他の令嬢達と違う使命を持っている。彼女達が学ぶことのできないものを、堂々と教えてもらえる。そのプライドが、リリーを支えているのだ。
 父が再婚し、継母が身籠ったと知った時までは。
(もし、生まれるのが男の子……弟だったら、私はどうなるの?)
 父は男児を切望していた。自分の後を継ぐのは、実子でなければいけない、と。
 だからリリーは、それに応えてきた。
 妹ならば良い。ますますリリーは次期当主として、守るべきものが増えるのを喜ぶことができる。
 ぎりっと、膝の肉ごとスラックスの生地を強く握りしめた。
(だめ、妹でも弟でも、喜ばなくては!)
 何度、自問自答を繰り返しただろうか。
 甲高い産声が、夜の静寂に包まれた館に響き渡った。
 リリーは、ハッと顔をあげた。
 バタバタと慌ただしい足音が近づいてくる。生まれれば、メイドが報告に来てくれることになっている。
「リリー様、リリー様!」
 ドアを叩く音がした。リリーが入るようにいうと、すぐに開け放たれた。そして息を切らして頬を紅潮させた三十路のメイドが、満面の笑みとともに告げた。
「お喜びを! ブロンソン家待望の男の子です! リリー様の弟君ですわ!」
 メイドは、リリーが次期当主としての教育を受けていることに、以前から心を痛めていた。だからこそ喜びもひとしおだったのだろう。
「ああ、これでリリー様も女としての幸せを……! ……リリー様?」
 だが、リリーは満月の光が一瞬にして消え、闇に包まれた心地がした。足が震えて、立ち上がることができなかった。
(明日から、どうなるのだろう。私はもう、要らない子になるの?)
 奪われてしまう。
(私はこれから、どうすればいいの?)
 今夜生まれた弟は、これまでリリーが背負ってきた使命をあっさりと奪ってしまった。
 ただ、男であるというだけで。

    ***

 同時刻、グリーンベルト王国・王都近郊。
 アレクサンダー・シルヴェスターは、愛馬のマティルダに跨がり、林を抜けて丘まで駆け上がっていた。夜闇の中にあっても、体躯がよく、真っ赤な皮膚と黒褐色のたてがみを持つマティルダは目立つ。ましてや、満月の光が眩い夜だ。
 勢いよく走ると、崖の手前まですぐに出た。
 ぐいっと手綱を引くと、マティルダがヒィィン! と大きく嘶き、前肢をあげて立ち止まった。
「よし、良い子だ」
 並の乗り手なら、振り落とされてもおかしくない。マティルダは気位が高く、同時に癇が強い。四年前、アレクサンダーが二十四歳の時に、属国から献上された牝馬で、亡き父──先代の国王から賜った。ただで与えられたのではなく、城内で乗りこなせたのがアレクサンダーだけだった。
 それ以来、戦場でも狩りでも共にする相棒だ。
 馬上からアレクサンダーは、眼下に広がる光景を眺望した。
 王城を中心とした街は、夜でもまだ明るい。だが都をぐるりと囲む頑強な城壁の外になると、一気に暗く静かに映る。
 グリーンベルト王国は、建国当時はこの王都周辺だけが正式な領土だった。今は、地平にそびえる山の向こうまで拡大し、幾つかの飛び地的な属国領も含めれば、大陸でも有数の大国に成長した。
 だが戦は今も続いている。アレクサンダーにも、再び軍を率いて三日後に国境へと向かう命が下った。
 戦場から都に戻ると、アレクサンダーは欠かさずここに来る。たった独り──いや、相棒と共に自分の守るべきものを、己が眼に焼き付ける。
『兄上は旗印であれば良いのです。自らを危険に晒すべきではありません』
 かつて、弟が言った。彼は王城にいる。この国を統べる王として。
 アレクサンダーはすでに王家の籍から離れていた。成人すると同時に臣下となり、前王の第二妃だった母の実家を継いだ。
 グリーンベルト王国では、王だけが三人まで正式な妻を持つことができる。元々は正妃以外は公妾という存在だったが、時代がくだるにつれて、正式に婚姻関係が認められるようになった。もっとも、正妃とそれ以下では格が違う。
 弟の母は正妃だった。王太子に選ばれるのは当然だった。
 もちろん、王族のままでいることもできたが、そこに自分の居場所はないと幼い頃から感じていた。弓の腕が良かったことを活かして、軍に入った。
 最初の頃は元王子の身分のせいで、媚びを売られたり逆にやっかまれたりしたが、戦場に身を投じる日々の中でそれも落ち着き、今では将軍の地位を得た。
「……この国が平和になった時」
 アレクサンダーはそっと眼を閉じた。さらりとした夜の風が、焦茶の短い髪を揺らす。
「俺はどこにいるんだろうな。マティルダ」
 相棒に声をかけると、彼女は首を軽く振った。
「いつか戦が終わったら、その時は一緒に死んでくれるか?」
 するとマティルダがぶるるっ! と鼻を鳴らした。馬鹿をいうな、と呆れているような仕草だった。
「はは、悪かった。機嫌をなおせ」
 ぶるんっ! と、今度は息を吐きながら、相棒は首を縦に振った。カッカッと前肢を鳴らす。さっさと帰ろうといっているようだ。
「お前は相変わらずつれないな」
 アレクサンダーはふっと、小さく笑った。黒褐色のたてがみを撫でてやると、マティルダは嬉しげに尻尾を振った。


 ◆◇◆◇◆


「全力でお断りします!」
「わしはまだ何もいっていないぞ、リリー」
 たじたじとなっている公爵の父を前にして、リリーは悠然と、紅茶の入ったカップを口元に運んだ。
 ちょうど、テラスでお茶をしていた。同席している継母のエレノラは、どうしたものかといわんばかりに交互に夫と義理の娘を見やっている。
 まったく、穏やかなひと時を邪魔して──それも、喜色に満ちた顔で。
 理由はわかっている。だからこそ、父が本題を切り出す前に宣言したのだ。
「縁談でしょう。お断りします」
 弟の誕生から六年。リリーは十七歳になった。
 グリーンベルト王国は、男女ともに十六歳で成人となる。貴族令嬢の場合は、十歳前後に婚約して成人と同時に嫁ぐこともままある。
 リリーは当主として育てられたため、婚約者はいなかった。
 さらにいえば、待望の男児とはいえ、やはり一定の年齢に達するまでは……と、父は保険もかねてリリーが嫡子であるとした。
 だが、それも一年前に終わった。
 弟のマルスは、赤ん坊の頃は病弱で何度も熱を出し、家族をハラハラさせたものの、最近は体力がついて健康そのものだ。マルスが五歳になった時、すなわちリリーの成人と同時に、父は改めて跡継ぎを正式に変更した。
 リリーはもはや次期公爵ではない。父の娘、つまり公爵令嬢でしかない。
「父とて反省しているのだ。だからこそ、お前にとって最良の相手を探し、お前が気に入らなければ断ってきた。だが、話も聞かないとは!」
「あ、あなた。私からもよくいって聞かせますから、どうか今は」
「ぐぬぅ」
 父の怒気が伝わってくるが、リリーは無視した。
 せめてもの反抗だ。
 男の子が生まれなければ、お前が男になれ。
 剣を磨け、馬に乗れ、寝る間も惜しんで勉強をしろ、他の令嬢を羨むな。
 お前は特別な人間なのだから。
 ──そう言い続けていた父が、いざ息子が生まれた途端に手の平を返した。
 女らしくしろ。剣も馬も捨てろ、他の令嬢を見習って花嫁修業しろ。
 お前に、最高の縁談を持ってきてやる……。
(ああっ、腹立たしい!)
 かちゃん! と、行儀は悪いが、リリーは音を立ててカップをソーサーに置いた。割れなかっただけマシだ。
「お父様が持ってきたこれまでの縁談、本当にこのブロンソン家に相応しいものだとお思いですの?」
「ぬ……?」
「爵位が低過ぎる、ただの部屋住み……それはまぁ、仕方ないとしても、軟弱な殿方ばかりではありませんこと?」
 あくまで公爵家の名誉を案じて断っている、という体裁を見せながらも、これはただの嫌味だ。
 理由はわかっている。次期当主として育てられてきたリリーは、貴族の間ではウケが悪いのだ。剣を振るい馬に乗り、勉学に励んでいた──翻せば、花嫁としての教育は受けていない、ということになる。
 男勝りでガサツな茨姫。たおやかなイメージのある『百合(リリー)』の名前に似つかわしくない、なんて噂は、とっくに耳に届いている。
 なにせ最初の見合いで「私と勝負なさい!」と、縁談相手をこてんぱんにのしてしまったのだから。
(さすがにあれはやり過ぎたとは思うけれども)
 そんな女を妻に嬉々として迎えたい男はいまい、と思ったのだが、ブロンソン公爵家と縁続きになることを望む男は予想以上に多かった。
 もっとも、それは「じゃじゃ馬の男勝りでも受け入れてやる」などと、コネ目的なのに上から目線の男ばかり。その証拠に、王族や侯爵以上の家からは話が一切来ない。
「いや、姉二人がすでに釣り合う家に嫁いでいる。お前はそこまで気にしなくていいのだ」
「だめですわ、お父様。娘を政略結婚の駒にするなら、たとえ末の娘であっても無駄にしてはいけませんわ〜」
 我ながら見事な棒読みだ。茨姫の異名は伊達ではないほど、棘を含んでいってやる。
 もっとも、ただの駒になる前に、修道院へ駆け込むつもりでいるのだが。
「……リリーよ、せめて相手がどういう“御方”かだけでも、この書類に目を通しておいてくれないか」
 父はうなだれながら、手にしていた紙、つまり釣り書きをテーブルに置いて立ち去っていった。
(お父様も、歳を取ったのね)
 傲慢で厳格な父の背中が、やけに小さく見える。ここ最近は、怒っても強いることはなくなった。負い目を感じているのだろうか。
(お父様にとって、私は後悔の塊でしかない)
 育て方を間違えた。
 でも、そういわれたって、すぐには変われない。
「リリー。ねぇ、せめて会うだけでもダメかしら」
 嵐が去って、継母のエレノラが声をかけてきた。
 エレノラは、温厚で優しい女性だ。なさぬ仲のリリーにも、嫁いできた当初から親しくしてくれた。母娘というより、歳離れた姉妹のような関係だ。
 父に嫁いだ時は二十五歳。王族に繋がる旧家に生まれながら、先代の浪費で家計が傾いてしまい、生きていくために自身のことよりも弟妹の世話を優先して、結婚が一番遅かったという。見かけによらず、たくましい女性だ。
「嫌よ」
 リリーはそっぽを向いた。
「旦那様のお顔も立ててさしあげて」
「だったら尚更よ」
 そうだ。嫁がせたいなら、こちらの思いなど関係なく、さっさと先方と話を固めてしまえばいいのだ。これまで、次期当主としてそうやって育ててきたではないか。
 何故、今になって、娘の意思を尊重するなんて。しかも嫁ぐことは強いるくせに。
 リリーはぎりっと、ドレスの裾を握りしめた。
「お父様は、貴方に幸せを掴んでほしいのよ」
「女の幸せは、結婚なんかで決まらないわ」
「それもそうね」
 しれっと、エレノラは同意してきた。リリーが驚いて彼女を見ると、先ほどまでのおどおどした様子はなく、優雅に紅茶を飲み、ほっと息をついていた。
「私が幸せなのは、結婚したからではなくて、貴女達の家族になれたからだわ」
「エレノラ……」
「もっとも私がいえた立場ではないのは、わかっているの。マルスが生まれたことで、貴方の生き方まで変わってしまった」
「それとこれは別よ。生まれたのがたまたま男の子だっただけ」
 腹が立つのは、体面ばかり気にする父のこと。そして、それを今もなお許せないでいる自分自身だ。
「……ねぇ、リリー。こう考えましょう」
「なに?」
「縁談は出逢い。私が勿体ないと思うのは、逢いもしないで断ること。ねぇ、運命の人が見つかるまで、逢うだけ逢ってみてはどうかしら?」
「え……時間の無駄よ」
「無駄だと思えばその場で帰って頂きましょう。王族でもない限り、臣下公爵の第一位であるブロンソン家がそう命じれば断れないわ」
 ニコニコと笑顔でえげつないことをいうエレノラに、リリーはため息をついた。
 温厚な性格なのだが、それは人当たりが良いということで、家を支えて弟妹の世話を一手に担ってきた胆力は伊達ではない。
「姉様ーっ!」
 幼い声が響いた。ぱたぱたと駆け込んできたのは、今年六歳になる弟のマルスだった。
「マルス、騒々しいわ」
 窘めたのはエレノラではなく、リリーだった。
「だって、さっきお父様に聞いたんだもの。今度こそリリーのお見合いを成立させる、ついに結婚させるぞー! って!」
「……お、お、お父様……っ」
 たまにはしおらしくしようと思ったが、撤回する。やっぱり会わない。会わないったら。
 ぷるぷると震えていると、マルスが青くて大きな眼をうるうるさせながら見つめてきた。
「姉様、結婚しないよね? 僕、まだリリー姉様と一緒にいたいよぉ……」
「マルス……」
 結婚しない理由は、もう一つ。
 この可愛い弟を置いていけない、ということ。
 肩で切りそろえた柔らかな金髪に、ミルクのような白い肌、利発な顔立ち。泣き虫ではあるものの、性格は素直で天真爛漫。誰もが愛さずにいられない。
 神がこの世に遣わした、天使そのものだ。
「しっかりして。貴方は、このブロンソン家の正統な跡継ぎなのよ」
 天使だからこそ、リリーしか厳しくできないのだ。
 父はリリーに勉強も鍛錬も強いたのに、身体の弱かったマルスにはどうしても甘く、エレノラもその辺りは急いていない。まだ六歳だから、と。
 六歳よりずっと前から、リリーは厳しく躾けられていたのに。
「……でも、僕、寂しいよぉ……」
「う……」
 この家で一番厳しくマルスに接していると自負するリリーだが、やはりこの天使のお願いには弱い。
「お見合い、やっぱりお断りして」
「姉様ぁ!」
「ちょ、ちょっとリリー」
「私が結婚するのは、マルスを立派な男に育ててからよ!」
 ひしっと、天使(マルス)と抱き合う。ああ、弟が可愛い。何せ、何度もおしめを換えて、風邪のたびに寝ずに看病をして、剣と馬も教えたかったが父に「お前はもうそんなことをせんでいい」と猛反対されたので、それ以外の勉強をしっかりと教えてきたのだから。
「幼い弟妹を育ててきたエレノラならわかるでしょう!」
「……うーん……でもねぇ」
 涙と鼻水まみれでも愛らしいマルスをしっかりと抱きしめていると、姉どころか、人の妻をすっ飛ばして子の母になった気分だ。
 確かにマルスが生まれた時は、理不尽だと感じた。どうして男に生まれたというだけで、何もかもが約束されているのか、と。
 でも天使には勝てない。勝てるわけがない。
「僕も一緒にお茶してもいい?」
「お勉強は終わったの?」
「うん!」
「じゃあ、貴方の分も用意させるわね」
 リリーは気づかなかった。
 放ったらかしにして中身を見ていない釣り書きを、エレノラがこっそり手に取ったのを。
「……まぁ。これはこれは」
 こっそりと書面を見たエレノラが、うふふっと笑った。そして素早く袖の内側に滑り込ませた。
「? どうしたの、エレノラ」
「なんでもないのよ。うふふふ」
 ──天使との蜜月が、ついに終わろうとしていることにも、リリーは最後まで気づいていなかった。