シゴデキ夫は今宵も新妻を離さない! 最強魔術師のエンドレス絶倫溺愛 3
ユーフェミアが作る菓子をブラッドフォードはことさら喜んでくれる。
この日、ユーフェミアは差し入れ用のクッキーを大量に作ってウェイレット伯爵邸に行った。今日はブラッドフォードは休みだと聞いている。
(といってもお屋敷の中で書類仕事をしていると思うけれど……)
先ぶれは一応出しておいたのでいつも通り使用人たちが出迎えてくれたが、ブラッドフォードは急用ができて魔術省に行ってしまったという。
「ですが早めに帰ってくると、お出かけ前に仰っておりました。もしユーフェミアさまが宜しければ、夕食をご一緒したいとも。帰る途中でユーフェミアさまのお好きな店のお菓子を買ってくるそうですよ」
使用人頭の言付けに、ユーフェミアは満面の笑みを浮かべた。
「ならば待たせてもらうわ」
クッキーの差し入れを使用人頭に渡し、本日の屋敷の状況を確認する。特に問題はなさそうだ。
どうせならばブラッドフォードの執務室の掃除でもしようかと足を向けたとき、使用人に呼び止められた。手には両手で持てる程度の大きさの箱がある。
「ユーフェミアさま、こちらの荷物なのですが差出人の名前がなくて……」
「まあ、怪しい荷物ね……」
箱を受け取り、一応外から確認してみる。何の変哲もない梱包紙に包まれた箱だ。麻紐で荷札がつけられているが、差出人の名はない。
怪しいことは怪しいが、屋敷の主人であるブラッドフォードに無断で開けることはできない。帰ってきたら確認してもらおうと、執務机にそれを置いた。
使用人が退室し、机の上に置かれたままの書類の分類を始める。
そういった仕事も、ブラッドフォードはユーフェミアを信頼して任せてくれていた。そもそも、見られてはまずいものがあるときは、この執務室の扉には鍵がかかっているのだ。
集中して手際よく作業を終わらせ、休憩に茶を淹れようと部屋を出ていきかけたとき。
――カサリ、と箱からかすかな物音がした。
カサリカサリ、カサカサ……何やら小さな物が動いている音に聞こえ、反射的にユーフェミアは青ざめる。まさかこの音は、虫が動いたものではないか。
(虫は……虫は駄目なの……っ)
退治できないほどではないが、それでもできる限りお近づきにはなりたくない。
だが音が先ほどの怪しい荷物から聞こえるとなると、執務室に置いておくわけにはいかない。何よりもブラッドフォードに危険が迫ることになってはならない。
逃げ腰になる心を叱咤し、ユーフェミアは緊張しつつ執務机の荷物に近づく。音がするだけではなく、箱自体もかすかに動いていた。
思わず一歩後ずさったとき――バリィッ!! と梱包紙を突き破って何かが飛び出してきた。
「……っ!?」
声にならない悲鳴を上げ、驚きに目を瞠るユーフェミアに、緑色の蔓状のものが絡みついてくる。逃げる間もなく箱から次々と蔓状のものが飛び出しては腕に、腰に、胸に、足に絡みついた。
「……な……に……っ!?」
蔓が肌に食い込んで動けない。そしてすぐに異様な変化を始めた。
指二本分ほど太くなり、表面から透明な粘液が滲み出す。ユーフェミアの身体を締めつけつつ這い回るうちに――ドレスが溶け始めた。
「……嘘……っ!?」
慌ててもがくが、布地はあちこち溶けていく。幸い皮膚が溶けることはなかったが、どんどん肌が露わになっていき、焦ってしまう。
使用人に助けを求めて男性が来たら困る。どう助けを呼んだらいいだろうかと迷いながら口を開けた途端、ずぼっ、と蔓の一本がユーフェミアの口中に入り込んだ。
「……んぅ……っ!?」
先端が丸く膨らみ、ぶしゅっ、と何かを吹き出す。白濁したとろみのあるそれを反射的に飲み込んだ。
「げほ……っ、……ん……んふぅ……っ?」
直後、全身が急に熱を孕んだ。
熱い。そして全身が疼く。
特に下腹部が――蜜口が疼いて、切ない。
年頃の令嬢として最低限の閨教育は受けているから、この身体の変化がどういう状態なのかわかった。
(私……感じ、て……っ?)
一体どんな強度をしているのか、蔓が蠢き、ユーフェミアを宙に持ち上げた。空中で両足を大きく広げた格好にさせられる。
とんでもなく破廉恥な格好に羞恥で真っ赤になるユーフェミアの全身を、ぬめった蔓が這い回り、あちこちを撫で、快感を教え込む。
その間に粘液はドレスをほとんど溶かし、切れ端程度しか残っていない。全裸も同然だ。
蔓の先端で蜜口の周りを撫でられると、信じられないほどゾクゾクした。
(嫌なのに気持ちいい……)
心の声に答えるかのように、蔓の数本が花弁を押し開く。とろりと蜜口から蜜が滴るかすかな感触にすら、全身が快感で震えた。
口中に入れられたものと同じように先端が膨らんだ蔓が、蜜口に押しつけられる。ぐりぐりとこじ開けて中に入ろうとしてくる。
(欲しいのは……ブラッドフォードさまの……そう、あの人の……あの人でなければ嫌なの……!)
――これ、ではない……!!
自分の身体を好き勝手にしようとする蔓に言いようのない怒りを覚え、ユーフェミアは衝動的に口中のそれに噛みついた。渾身の力を込めると蔓は突然の反撃に驚いたのか、動きを止める。
ペッ!! と口中のものを吐き出し、ユーフェミアは叫んだ。
「……誰か……誰か助けて……!! 襲われているの……!!」
ブラッドフォードが帰邸すると使用人が出迎え、ユーフェミアの来訪を教えてくれた。知らず、頬が綻ぶ。
手土産の菓子を茶と一緒に持ってくるように言いつけ、彼女が掃除しているという執務室に向かう。寛いで待っていてくれていいのに、伯爵令嬢らしからぬ働き者だ。
あと数歩で扉まで辿り着く、というところで、ユーフェミアの叫びが聞こえた。
「……誰か……誰か助けて……!! 襲われているの……!!」
――状況を理解するより先に身体が動いていた。
全力疾走で執務室に飛び込み、仰天する。
「……ユフィ!? どうし……」
執務机の箱から伸びた蔓がユーフェミアの全身に絡みつき、宙に持ち上げている。ドレスの残骸と思われる布の切れ端が肌に少し残っているが、全裸と変わりない。
必死にもがくユーフェミアだが、両足を開かされている。とろとろと湿った蜜口が丁度視線の先にあり、そこに向かって先端が丸く膨張した蔓が触れようとしている。
カッ!! と怒りで意識が一瞬飛んだ。
直後、現時点でブラッドフォードだけが使える最短の詠唱を叫ぶ。
「……爆ぜろ!」
ユーフェミアに絡みついていた蔓が一瞬で炎に包まれ、灰となり空間に散った。支えを失って落下した身体を、ブラッドフォードが抱き止める。
「大丈夫か!?」
「……は、い……あ、りがとう、ございます……」
「ブラッドフォードさま、ユーフェミアさま!? いったい何が……!」
「入るな!! 閉じろ!!」
ほぼ全裸のユーフェミアを、同性の使用人でも見せられるわけがない。ブラッドフォードはユーフェミアを抱き締めて隠しながら叫ぶ。
使用人の鼻先で扉が閉まり、施錠された。これも魔術によるものだ。
「大丈夫か、ユーフェミア。何をされた!?」
よもや令嬢として致命的な辱めを受けたのかと、怒りと無力感で頭が沸騰しそうになる。ユーフェミアは小さく震えながらも首を横に振った。
「……だ、大丈夫、です……ただ……」
手早く上着を脱いで震える身体を包み込む。温もりを感じて安心したのか、ユーフェミアは大きく息を吐いた。
だが震えは弱くなっても治まらない。それに呼吸が浅く、身体が熱い。
「熱が……!?」
「いえ、違います……。あの蔓の先端から、何か白い液体が……それを、飲まされて……」
ユーフェミアの言葉と目にする状況から、一体何が彼女を襲ったのかを理解した。
「……催淫草か……!!」
「……な、んですか……それ、は……?」
さすがのユーフェミアも、その植物名を聞いたことはないようだ。はっ、はっ、と浅く熱い呼吸を繰り返しながら、潤んだ瞳で見上げてくる。
(私の理性を木っ端微塵に打ち砕く、とんでもない破壊力だ……!)
これまでにも女性にこんな顔で迫られたことがあるが、微塵も興奮しなかった。だがユーフェミアがすると、我を忘れて触れ、彼女のすべてを暴きたくなる。
(耐えろ!!)
「……催淫草は古の魔術師が創った魔術植物だ。生き物が近づくと絡みつき拘束し、催淫効果がある体液を摂取させ興奮状態にして、種を埋め込むというものだ。無論、異種間で子ができることなどないが、この草の体液は男女間の……表向き流通はしていないが、副作用のない媚薬代わりとして重宝されている」
違法な魔術生物などはすぐさま魔術省指導のもと、取り締まられる。だがこの類のものは主に裕福層に重宝がられ、完全には排除できないのが事実だった。
「ブラッドフォードさまが助けてくださらなかったら、私はこの草に純潔を散らされていたのですね……」
息苦しそうに言う声に、明確な怒りが宿っている。無理もないことだ。
「……とりあえず、催淫草は燃やした。もう襲われることはないから安心してくれ」
頭の中で証拠隠滅してしまった迂闊さに気づいて歯噛みするが、致し方ない。誰が仕込んだものなのかは徹底的に調べ、彼女が受けた屈辱を数十倍返ししてやればいいだけだ。
(絶対に許さんぞ……八つ裂きにして肉片も残すものか……!)
「……あの、私……こんな格好でごめんなさい……身体を清めて、着替えてきま……」
ユーフェミアは立ち上がろうとするができず、よろめく。ブラッドフォードはしっかりと抱き留めた。
「無理をするな。浴室までは私が運んで……」
途端にユーフェミアがビクリと大きく震える。さらに息が乱れ、肌が熱を帯びた。
「あ……っ。わた、し……おかしい、です……」
掠れた声で言いながら、ユーフェミアがこちらを見上げる。薄紅色の唇がわずかに開き、悩ましげに息を吐いた。
首に腕を回され、張りのある瑞々しい乳房がブラッドフォードの胸に押しつけられた。そしてユーフェミアはもどかしげに全身を擦りつけ始める。
「……あぁ、ん……ブラッドフォード、さま……」
足の間に柔らかな下肢が入り込み、ブラッドフォードは息を呑む。こんなふうに誘惑されることにも慣れているのですぐさま冷徹に拒絶できるはずなのだが――相手がユーフェミアだとまったくもって勝手が違った。
(ユフィの胸が! わかってはいたが柔らかくて気持ちがいい……は! いかん、ユフィは催淫草のせいでこうなっているだけで……!!)
「……わた、し……身体が熱くて、息が苦しくて……何とかして、欲しくて……」
恥丘が股間にぐりぐりと擦りつけられる。今にも押し倒して貫きたくなるほどの、凄まじい誘惑だ。
(駄目だ。落ち着け。まずはユフィに風呂に入ってもらって……そもそも私はユフィよりもずっと年上なのだから、この誘惑に屈するわけには……!!)
しかし気づけば細腰を両手で掴み、強く引き寄せている。
足の間に片膝を潜り込ませると、驚くほど素直にユーフェミアはしなやかな足を開き、太腿を跨いできた。ぐっ、と蜜口を押し上げるように足で刺激すれば、とろりと目を細めて感じ入り、小さく喘ぐ。
「……気持ち、い……」
だが直後にハッと我に返り、羞恥で真っ赤になって俯いた。
「ご、ごめんなさい……こんな、はしたないこと……っ、でも、ブラッドフォードさまが、欲しく、て……」
(ああ、なんて……可愛い恥じらい方だ……)
本来の慎み深い気質から、必死に抗っているのがよくわかる。
だが催淫草の催淫効果は凄まじい。手練れの娼婦ですら、あっという間に陥落するほどだ。ユーフェミアはよく頑張っている。
(だがこのままでは、君の心が壊れてしまう)
「ごめ……なさ……離れ、て……」
力の入らない両手がブラッドフォードの胸を押す。ブラッドフォードはその抵抗を抱擁で抑えた。
「ユフィ……」
息が耳朶に触れる。ユーフェミアはたったそれだけでビクビクッ、と激しく震えた。
「……あ……あぁ……っ!」
ブラッドフォードに乳房が潰れるほど胸を押しつけて仰け反り、達する。蕩けた瞳と表情は初めて見るもので、雄芯に一気に熱が集まっていくのがわかった。
「ユーフェミア」
愛称ではなくしっかりと名を呼ぶ。絶頂に感じ入っているユーフェミアには、この声が届いているのかどうかわからない。
「催淫草の体液で発情状態になると……性交しないとおかしくなってしまうこともある……だから、君を私が……いいか?」
ユーフェミアをじっと見つめながら問いかける。彼女の息はさらに荒くなり、濡れた瞳は懇願のそれに変わっていた。
初めて見せられる色香に当てられ、頭がクラクラする感覚に陥りそうになるのを必死に耐えて、ブラッドフォードは続けた。
「相手が私でいいならば……」
「ブラッドフォードさまがいい、です。ブラッドフォードさまでなければ嫌。だから、早く私に……して、ください……っ」
欲望についに耐えきれなくなったようで、ユーフェミアが爪先立ちになってくちづけてきた。単に唇が押しつけられただけの拙い行為に、全身の血が沸騰しそうなほどの欲望に包まれる。
(堪えろ……!! 私が思うままに触れてしまえば、ユフィに負担を掛けてしまう……!!)
ぎりり、と音がするほど奥歯を噛み締めて欲望を抑え込み、ブラッドフォードはユーフェミアをソファに運んだ。
三人掛けのソファにユーフェミアを寝かせる。シャツのボタンを外していると、彼女が手を伸ばしてきた。
その手を掴み、掌を合わせて握り締める。その感触すらも心地よいのか、ユーフェミアは小さく喘いだ。
「……はや、く……早く、して……ぇ……」
「ああ、わかった。だが……君に負担を掛けたくないんだ」
(壊さないように、優しく……そうだ、優しく……)
己にそう言い聞かせながら、ブラッドフォードは荒い呼吸に揺れている柔らかな乳房に手を伸ばし、揉みしだき始めた。
(ああ……なんて気持ちがいいの……)
大きな掌が胸の膨らみを包み込み、ゆるやかに揉まれる。
時折力を込められると、指の間から乳房が溢れ出してかたちが歪む。卑猥なかたちはしかし羞恥よりも興奮を強め、両の頂がツンと硬く尖った。
ブラッドフォードが片方を指先で撫で回し、時には軽く摘まんで引っ張る。気持ちよくて思わず喘ぎ声を零すと、爪でカリカリとひっかいてくる。
反対はねっとりと舐め回したあと口中に含み、熱くぬめった舌で上下左右に優しく嬲ってきた。
吸って欲しい、と胸中で願えば、まるで応えるように乳首を吸われる。
飲み込まれてしまうのではないかと思うほど強く吸われ、とても気持ちよかった。
それが伝わったのか、ブラッドフォードが目線だけ上げてこちらを見て、喉の奥で笑った。
普段の彼ならば決して見せない男の色気に満ちた表情だ。ドキリ、と胸をときめかせた直後に頂に軽く歯を立てられ、甘い刺激に身体を震わせる。
「……んぅ……っ!」
「痛かったか!?」
ブラッドフォードがすぐに口を離し、舌で舐めて労ってくれる。ユーフェミアは慌てて首を振った。
「ちが……き、気持ちよかった、の……」
そのせいで蜜口にまた新たな蜜が溢れ出したほどだ。正直に伝えるのは恥ずかしく真っ赤になったが、早くこの空虚感を埋めて欲しくて、ユーフェミアはブラッドフォードに手を伸ばす。
「……お、願い……もう、きて……欲しいの……」
ブラッドフォードが軽く息を詰める。何かに耐えるようにぎゅっと強く眉を寄せると、苦笑した。
「ユフィに負担は掛けたくない。私のものは君が思うよりも……大きいから」
わかりやすい言葉で告げられて、どくん、と鼓動が大きく一つ、脈打った。反射的にブラッドフォードの股間に視線を移してしまう。
いつの間にか全裸になっていた彼の、鍛えて引き締まった男らしくも美しい裸身の中心で、一つだけ禍々しいほど凶悪なものがあった。それが何であるか、実際に目にするのが初めてでも年頃の娘として知っている。
(あれ……が……ブラッドフォードさまの……)
閨教育で教えられた形状よりはだいぶ大きく太く見える。
どうやら反応してくれているみたいだ。嬉しい。
ユーフェミアはうっとりとそれを見つめ、触れようとする。ブラッドフォードが慌てて腰を引いた。
「待て。これは……むやみに触れては駄目なものだ」
「……ご、めんなさい……」
しゅん、と目を伏せてしまう。
「……ああ、違う。これは昂らせると……とても狂暴になるものなんだ。きちんと君の準備をしてからでないといけない。だからユフィ、泣くな」
知らず、涙まで零れていたようだ。感情の制御がうまくいかないのも、催淫草の影響か。
謝ろうとするより早く、くちづけられる。
「ん……んっ、ん……」
舌先で唇をなぞられ、反射的に口を開く。するり、とブラッドフォードの熱い舌が入り込み、口中をゆっくりと丹念に味わってきた。
舌先が歯列をなぞり、舌の裏を軽く突いてくる。あっ、と喉の奥で声を上げれば、舌を搦め捕られて引き出され、じゅうぅっ、と強く吸われた。
互いの唾液が混じり合う。思わず飲み込むと、不思議と甘く感じられた。
ユーフェミアの零す涙が快楽によるものに変わるまで、ブラッドフォードはくちづけを続けた。
上手く息継ぎができなくて口を開けば、さらに喉奥まで彼の舌が侵入してくる。同時に耳を両手で塞がれ、互いの乱れた呼吸音と舌が絡み合う水音しか聞こえなくなる。
(あ……私、感じて……しま、う……っ)
ブラッドフォードの呼吸も荒くなる。口中を容赦なく貪られ、ユーフェミアはまた達した。
「……ふう……んぅ……っ!!」
喘ぎ声すら飲み込まれ、頭がクラクラしてくる。ブラッドフォードは強張った舌を甘噛みしてから唇を離し、唾液で濡れた自身のそれをぺろりと舐めた。
普段の優しく穏やかな――時に情けないところさえ見せる彼からは想像できないほどの、野性味あふれた表情と仕草だ。ドキリ、と心臓が大きく脈打つと同時に、ブラッドフォードが下へ動いた。
訝しむより早く、ブラッドフォードの手が内腿に押しつけられ、そのまま広げた。反射的に閉じようとしても彼の上半身が足の間にすでに入り込んでいて、できない。
ブラッドフォードが内腿の柔らかい部分を啄み始めた。
「……や……ぁ……っ」
繋がり合うときに何をどうするのかの知識はあったが、こんなところにくちづけられるとは聞いていない。
ブラッドフォードは内腿からゆっくりと上がって恥丘にくちづけ、柔らかな薄い繁みを指で掻き分けると――躊躇うことなく蜜口に口をつけた。
「……そんなところ……っ!! あ……あぁ……っ!?」
不浄の場所でもあるのに口にするなど信じられない。驚愕に大きく目を瞠りながら、ユーフェミアは快感の喘ぎを零す。とても気持ちいい。
ブラッドフォードの舌が優しく蜜口を舐め解し、時折蜜を啜りながら丁寧に花芽を転がし始めた。
ちゅぷ、くちゅ、と舌の動きに合わせて淫らな水音が上がる。花芽はどんどん硬くなって敏感になり、舌先で軽く突かれただけで、ビクビクッ、と腰が跳ねた。
優しく啄まれるのも、内腿をブラッドフォードの柔らかな黒髪が擽る感触も、気持ちがいい。恥ずかしいのに、それを上回る強烈な快感には抗えなかった。
ブラッドフォードが丁寧に舌戯をしながら、ちら、と目線を上げる。濃い紫色の瞳に情欲があって胸がときめき、さらに感じてしまう。
「……んんぅ……っ!」
腰を震わせると、ブラッドフォードが目を細め、ふいに――つぷ、と中指を蜜壺に押し入れてきた。
「……っ!?」
初めての異物感に、驚いて目を瞠る。ブラッドフォードは視線を一瞬たりとも外さず、ユーフェミアの反応を見ながら指をゆっくりと出し入れし始めた。
「……んっ……ブラッドフォード、さま……そ、れ……あぁ……っ」
「……ん……ユフィの中に、私の指を……入れている……痛くは、ないか……?」
舌で花芽を舐められながら問いかけられ、ユーフェミアは快楽の涙を零しながら首を左右に振った。
苦痛はまったくない。それどころか、舌と一緒に弄られると快感がさらに強くなる。
「……だ、いじょう……ぶ……んぁ……っ!」
別の指も中に入り込んできて、蜜壺の上部を擦りながら出入りし始める。新たな快感に襲われ、ユーフェミアは悶えた。
「……ここ、が……女性の気持ちいいところ、らしい……が……」
探る指の動きが気持ちいい。これ以上触れられたらとんでもない粗相をしそうで恐ろしくなるのに、身体はまだ快感を求めている。
(気持ちい……けれ、ど……違う、の……っ)
欲しいものはこれではない。これでは満たされない。
ユーフェミアはぽろぽろと涙を零しながら懇願した。
「……も……意地悪、しないで……ぇ……っ」
ブラッドフォードが慌てて顔を上げ、快感に打ち震えてむせび泣くユーフェミアを優しく抱き締めた。
「すまない、調子に乗りすぎた……!! ユフィの乱れる様子がとても可愛らしくて艶めいていたから……夢中になってしまった。許してくれ」
目元や頬に詫びのくちづけがいくつも与えられる。すんっ、と涙を呑み込み、ユーフェミアはブラッドフォードを軽く睨みつけた。
「意地悪するブラッドフォードさまは嫌いです。早く欲しいのに、くれないですし……! 馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿……!! 意地悪は駄目です!!」
自分でも何を口にしているのかもうよくわからない。焦らされた身体は早くブラッドフォードが欲しくて飢えているのに全然くれない彼が、ひどい悪人に見える。
ユーフェミアはブラッドフォードの首に両腕を回してきつくしがみつき、乱暴にくちづける。
「早く、して!」
ブラッドフォードはそんなユーフェミアを驚きの目でまじまじと見つめ――抱き返しながら、肩口に顔を埋めた。
「……なんだ、この可愛い生き物は……これでは私の理性が完膚なきまでに破壊されたとしても、仕方がないだろう……」
「ブラッドフォードさま! 私のお願い、聞いていますか!?」
「しっかり聞いた。わかった。責任は取る」
責任とは? と、一瞬、怒りが逸れる。次の瞬間、蜜口に丸みを帯びた熱く硬いものが押しつけられ、ゆっくりと中に入り込んできた。
「……ん……あ、あー……っ!!」
たっぷりと濡れているというのに、初めて男を受け入れる圧迫感は凄まじい。ユーフェミアはブラッドフォードの背中に強く爪を立てた。
「……く、ぅ……っ」
低い呻きが耳朶を擦る。骨が折れるのではないかと思うほど強く抱き返され、ホッと息を吐いた途端、一気に最奥まで入り込んできた。
「……ああっ!!」
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