戻る

俺様王太子に嫌われようと精いっぱい悪女を演じましたが逆効果のようです!? 3

第三話

 

 応接室のサロンにて、テーブルいっぱいにお茶菓子が用意された。一体何人前あるのだと思うほど種類が豊富で、どれも見た目が極上に可愛らしい。
「君が好む味がわからないから、一通り用意したそうだ。口に合ったものがあれば遠慮なく教えてほしい」
「まあ……お気遣いうれしいですわ」
 見たことのないような菓子が美しくて目を奪われる。ミルカでは素朴な味わいの菓子が多く、地味で伝統的なものばかりだった。
 ──すごく煌びやかなお菓子ばかりだわ。宝石箱みたい。
 焼き菓子の種類だけでも豊富である。乾燥した果物や木の実がのったクッキーやバターがしみ込んだフィナンシェに、鮮やかな色のマカロン。ケーキの上には食用薔薇が飾られている。
 ガラスに入ったゼリーは夜空を模しているらしい。銀色の砂糖菓子は星なのだろう。三日月形のクッキーにも砂糖がコーティングされていた。
 エヴェリーナは思わず目を輝かせるが、ハッと我に返る。素直に喜んでいるのがバレたら、食い意地が張っていると思われそうだ。
「ジャレッド様もどうぞ召し上がって」
「俺のことは気にするな。君がうまそうに食べている顔を堪能させてもらおう」
「……あまり見つめられると食べにくいのですが」
「それはそうだな。気にするな」
 紅茶を啜りながら楽し気に返された。彼がなにを考えているのかがわからない。
 種類が多いので、待機している給仕係に焼き菓子、チョコレート、ケーキを皿に盛ってもらう。
 ──可愛い。食べるのがもったいないわ。
 エヴェリーナは食用薔薇がのったケーキから一口味わうことにした。
「……! おいしい」
「それはよかった」
 口当たりが滑らかなクリームとふわふわなスポンジが絶妙で、噛まなくても飲めそうだ。ミルカで食べていたケーキは口内の水分が持って行かれるものが多く、飲み物が必須だったが、これならケーキ単体でいくらでも食べられるだろう。
 二口目を食べて、普通にケーキを味わっている自分に気づきハッとした。
 ──そうだわ。なにか悪女らしい台詞を考えないと。
 自分のために用意してくれた菓子を前にわがままな発言をして、ジャレッドの機嫌を損ねなくては。これではただ、にこにことお茶の時間を堪能しているだけである。
 エヴェリーナは食べかけのケーキを置いて、クッキーを一口かじる。その次はゼリーを一口、マカロンを一口……。
 両親や兄たちから行儀が悪いと怒られそうな振舞だ。もちろん残すつもりはないし、食べきれなかったものは後で部屋に持って帰ればいい。
「口に合わないものがあったか?」
 ジャレッドに問いかけられたが、エヴェリーナは笑顔で首を左右に振る。
「いいえ。でも、最初の一口が一番おいしくて好きなんです。どれも素晴らしいけれど、全部は食べきれないから残りは侍女と騎士の皆にもあげますわ」
 エヴェリーナは室内にいる侍女や護衛の騎士を呼び寄せる。
 ジャレッドに仕える者たちは困惑していた。エヴェリーナの侍女であるセルマだけが冷静な表情を崩さない。
「さあ、椅子が余っているでしょう? 遠慮せずにどうぞ座って」
 エヴェリーナとジャレッドは長椅子に向かい合わせで座っている。近くにはテーブルと椅子もあるため、座る場所には困らない。
 ──どう? 使用人を同席させるなんて非常識な振舞でしょう?
 ミルカのように小国なら許されても、大国では眉をひそめられるだろう。主と使用人の間には明確な線引きがある。立場を弁えない振舞に躊躇うのは当然である。
 ジャレッドもさすがに不快感を露わにするだろうと思ったのだが、彼は屈託のない笑みを浮かべていた。
「ははは、そうだな。皆の者、こっちへ来い。俺の婚約者のおねだりを叶えてやってくれ」
 爽やかな笑顔からは不快感が見えない。エヴェリーナは少し引いた。
 ──思っていたのと違う。器が大きいのか、それとも本心を隠すのがうまいのか……どちらなの?
 もちろんエヴェリーナは、ひとりでは到底食べきれない量のお茶菓子を皆で分け合うことに賛成だ。ミルカではよくセルマ以外の侍女ともお茶をしていたため、使用人と共に食べることにも抵抗はない。
 とはいえ、それは特殊なことだと理解している。
 ゼディアでそのような振舞をした王族はいないはずだが、ジャレッドはまるで気にしていなかった。
 王太子の呼びかけに応じて、使用人がおずおずと集まりだす。職務中に休憩をするなど許されるのだろうかと思っている顔だ。
「本当によろしいのですか? 我々もいただいて」
「ああ、もちろんだ。たまにはこういう無礼講もいいだろう」
 ジャレッドが再度許可を与えると、彼らから緊張感が解けた。
 騎士や侍女も予備の皿に菓子を取り分ける。たくさん残っていた菓子類は使用人たちと分け合うことで無駄なく綺麗になくなりそうだ。
 セルマがジャレッドとエヴェリーナにお茶のお替わりを淹れた。すかさずエヴェリーナはセルマにおすすめの菓子を教える。
 食べかけのまま放置していたマカロンを口に入れた。酸味の利いたベリー味が口の中を楽しませる。
 ケーキを完食したところで、エヴェリーナはジャレッドの視線に気づいた。
「エヴェリーナは優しいんだな。俺は今日の一日で、ますます君が気に入ったぞ」
「……はい?」
 彼はわざわざエヴェリーナの隣まで移動し、口の端についたクリームを指先で拭った。
「……っ」
「うまかったか? ケーキ」
「え、ええ、とても……」
 優しいと言われたら素直にうれしい。だが今は喜べない。
 ──どうしましょう。お世辞を言われているわけでもないし、全然思った通りにいかない……。
 慈愛に満ちた眼差しで見つめられて、緊張が高まる。
 わがままで有名な噂の王太子は、予想外に心が広くて器が大きい。そして何故かエヴェリーナに好感を抱いているようだった。
 ここからどうやって好感度を下げたらいいのだろう。嫌われるために努力をするなんて、好かれるよりも難易度が高い。

 そして翌朝、エヴェリーナの部屋には大量の花が届けられた。応接間にあるテーブルがすべて花束で埋め尽くされている。
 カードにはジャレッドの直筆で言葉が綴られていた。
「手を繋がせてもらったお礼に……って、やりすぎよ!」
 瑞々しく咲いた色鮮やかな花を前に、セルマを含めた侍女たちが慌ただしく動く。
 ──まさか贈り物は、大げさなくらいがちょうどいいと思っているんじゃ……。
 エヴェリーナは自分が抱えられる程度の大きさの花束で充分うれしい。
 だが、悪女ならこの程度は当然だと思うものかもしれない。むしろ足りない、もっとよこせくらい言うのだろうか。
 気持ちだけありがたく受け取りたいが、返品は不可だろう。
 一体なにが正解なのかがわからず、朝から途方に暮れる羽目になった。

 

 

 

 ゼディアの王城に滞在して早くも一週間が経過した。
 エヴェリーナには王太子妃教育という名目で家庭教師が数名つけられており、夕刻まで予定が埋まっている。
 勉学は苦ではない。元々読書が趣味だったこともあり、部屋に引きこもって教本を読みふけるのは得意である。
 知識欲を刺激すると満たされる。苦手なことはダンスの授業くらいだ。
 そしてこの一週間で、エヴェリーナは自分の振舞が空回っていることを実感しつつあった。
「私、やっぱり悪女に向かないのかもしれない」
「……そうでしょうね」
 朝、エヴェリーナを起こしに来たセルマは冷静に答えた。
 小心者なエヴェリーナが真逆の性格を演じ続けられるはずがない。エヴェリーナは根が素直なので、長続きはしないだろうと思っていたようだ。
「ですが姫様は何事も試してから判断されますからね。悪女のふりも、ひと月程度なら続けられるのかと思いましたが」
「一週間で音を上げるのは早いって? 自分でもわかっているわ……でも向いてないって思ったんだもの」
 そもそも悪女らしさの見本は娯楽本である。
 男を手玉に取る手腕は見事だったが、エヴェリーナがジャレッドを手のひらで転がすなど不可能に近かった。自分が翻弄されているようにしか思えない。
「だって、私が想像していた悪女らしい振舞をしても、何故かジャレッド様には好意的に捉えられちゃうの。なんで? なにがいけなかったの?」
「我々が考えていた以上に王太子殿下のお心が広いんでしょうね。度量が大きくて、許容範囲も広い印象がありますが」
 非常識に思われることをしても、にこにこと受け止められる。察しも良くて気が回り、エスコートも完璧だ。
 エヴェリーナが使用人たちを招いたお茶会は、国王夫妻の耳にも入ったらしい。
 小心者なので咎めを受けるかとびくびくしたが、奉仕の精神に溢れた心優しい王女だと言われてしまった。嘘の臭いを感じなかったので本心からの台詞なのだろう。
 ありがたいが、そうではない。エヴェリーナは深々と溜息を吐く。
「食べ物は一口目が一番おいしいなんて失礼な発言をしたのに不快に思われなかったし、他にもちょこちょこと可愛げのないことを言っていたつもりなんだけど。どうして殿下は笑っていられるの? もしかして心の中では毒づいているけど、完璧に取り繕っているだけ?」
 エヴェリーナの人生経験が浅いため判断がつかない。身近に腹黒い人間が三人いるが、ジャレッドからは兄たちのような腹黒さも感じないのだ。
 本当に裏表なくエヴェリーナに接しているのであれば、今後はもう少し別の方向から嫌われないとダメかもしれない。彼の苦手な食べ物を押し付けたら不快に思うだろうか。
「私も噂話を集めていますが、王太子殿下の評判は上々ですね」
 セルマはエヴェリーナの髪を結いながら告げる。
 王太子妃教育を受けている間、セルマはずっと主についているわけではない。時には城内を歩いて密かに情報収集もしている。
「わがままって噂はなんだったの?」
 ジャレッドが集めたコレクションの部屋を思い出す。珍しいものや高額なものが集まっているのかと思ったが、そういうわけではなかったのだ。どうやら彼は思い出やロマンに価値を見出す人間でもあるらしい。
 ──あのハンカチは回収できなかったけれど……あれ、カビないのかしら。
 空調の設備は最新だと話していた。一体趣味にいくらつぎ込んでいるのか疑問だが、個人資産で賄っているのなら問題なさそうだ。
「噂が独り歩きしているわけではないようです。殿下は以前、騎士団の地方遠征に参加予定でしたが、出立する直前に中止にしたとか。夜会でも気まぐれに参加を取りやめたことがあるそうですよ」
 気分屋な面も目立つそうだ。エヴェリーナは考え込む。
「準備万端な状態だったのに、殿下が急に地方遠征を中止にしたのはなにか理由があるの? ただなんとなく『やめた』って言ったってこと?」
「ええ、そのようです。気まぐれに中止を宣言したそうですが、それから数時間後、記録的な豪雨が降ったそうですよ。王都を離れた地域では土砂崩れが起こったとか。ですが奇跡的に死者は出なかったようです」
「それって……まさか殿下がそれを予測して中止にしたから?」
 セルマは「恐らく」と呟いた。もしもジャレッドが気まぐれを発動しなければ、騎士たちが土砂崩れに巻き込まれていたと言われているらしい。
「思い付きで他者を振り回すわがままな発言も多いそうですが、結果を見たら非難ができないようです。王太子殿下のおかげで幾度も危険を回避できたのであれば、殿下に反感を抱いていた者たちも意見を変えるでしょうね」
 どうやらジャレッドは野性的な勘が働くらしい。そしてそれはよく当たる。
 ──後悔しないって言っていたことも、直感が異常に鋭いからだったりして。
 圧倒的な存在感と堂々とした振舞。カリスマ的な求心力を持ち、組織をまとめ上げる姿が目に浮かぶ。
「なんだか太陽と向日葵みたいに思えてきたわ。もちろん殿下が太陽で、周りの人たちが向日葵」
 どんなに離れた場所にいても、ジャレッドがいる方角がすぐにわかりそうだ。
 それも王族としての素質だろう。故郷の兄たちは持ち合わせていない天賦の才である。
「で、日陰にひっそり咲く野草が私」
「また自虐的なことを。野草と呼ぶには姫様も充分目立っていますよ」
 複雑に編みこまれた髪は文句なしに可愛い。今日の髪飾りには珍しい真珠を使用している。
「まだ一週間しか経っていないのですから、焦らなくてもよろしいのでは。夏までに帰国できたらいいと仰っていたではないですか」
「ええ、そうね。本格的に夏が到来するまでにミルカに帰れたらいいわよね」
 それまでにできるだけ大国の情報を入手しておきたい。ゼディアに滞在しているからこそわかることもあるだろう。
 ──王太子妃教育を真面目に受けながら、ここでしか得られないものをたっぷり吸収しておきましょう。それでジャレッド殿下に嫌われて、国に追い返されたらいいわ。
 本音を言うと少しだけ、嫌われることに抵抗感がある。だがそれは相手がジャレッドだからではない。誰が相手でも嫌われたいとは思わないだろう。
 近い将来に婚約を解消されるのだから、適切な距離感を保たなければいけない。なるべく親密にはならないように気を付けることにした。

 食堂に移動すると、先に着席していたジャレッドに声をかけられた。
「おはよう、エヴェリーナ。早速だがなにかほしいものはないか? なんでも叶えてやるぞ」
 ──はい?
 今日も朝から笑顔の圧が強い。燦燦と輝く太陽のようである。
 寝起きに眩しい美貌を見せられたエヴェリーナは咄嗟に目を逸らしたくなった。
「急にどうしたのですか? ご機嫌取りでしたら不要ですわ」
 ──この間、大量のお花をいただいたばかりだもの。下手になにかがほしいなんて言えないわ。
 そもそもエヴェリーナは城での暮らしに満足している。なにも不自由することがなく、毎日の食事はおいしい。
 お茶の時間も楽しみであり、なんならお菓子のレシピがほしいくらいだ。家族にもゼディアのお菓子を食べさせてあげたいと思うほど、すべてが好みである。
「エヴェリーナが毎日頑張っていると聞いているからな。王太子妃教育は厳しいだろう」
 ──厳しいのかしら?
 真面目に授業を受けているだけである。それに勉学は好きだ。新しい書物との出会いにわくわくする。
「文化の違いを学べる機会を与えられて、大変有意義な時間だと思っておりますわ。学ぶことは好きですので、苦ではありません。ですが、強いて言えばダンスの授業は減らしていただけると……」
「身体を動かすことは大事だぞ。苦手なら俺が付き合おう」
 ──しまった。余計なことを言ったわ。
 エヴェリーナは心の中で首を左右に振っていた。ありがたい申し出はときに迷惑になることもあるのだ。
「殿下とのダンスは、その、身長差がありますので……」
 やんわり断った。踵の高い靴を履いても、長身のジャレッドの隣に並ぶと肩に届くか届かないかだろう。
 だがジャレッドは、舞踏会での相手役は婚約者である自分だと主張した。
「俺との練習は必須だと思うぞ。本番で振り回されたいなら構わんが」
「……」
 正論だ。できればそんな機会が来る前に国に帰りたい。
 本心は明かせないため、忙しい彼を巻き込むのは気が引けることを伝えてから話の軌道を戻すことにした。
「それで、私のほしいものをなんでもくださると仰っていましたけれど、そのような大口を叩いてよろしいのですか? 私がもし、空を飛んで満天の星をこの目に焼き付けたいだなんて言っても叶えられますか?」
 エヴェリーナはにんまりと口角を持ち上げた。自分なりに嫌な言い方ができて満足である。
 ──絶対に無理な難題を押し付けられたときの反応で、相手の素がわかるものよね。さすがの殿下も慌てだすかも。
 困った表情を見せられたら少し良心が痛むかもしれないが、それも覚悟の上である。
 だが、エヴェリーナはすぐに周囲の空気が変わったことに気づいた。食堂に待機している使用人からもの言いたげな視線を感じる。
 ──え、なに? 嫌な女って咎められている空気でもない……。
 訝しむエヴェリーナをよそに、ジャレッドは喉奥でくつくつ笑いだした。
「なるほど。それならもしも俺が君の願いを叶えたら、君はお礼になにをくれるんだ?」
 ──え? 見返りを要求するの?
 自分からほしいものを尋ねておいて、返礼を求めるのはいかがなものか。
 しかし最初に無理難題を突き付けたのはエヴェリーナだ。おねだりを叶えてもらった場合は、相応の礼儀を尽くさなくてはいけない。
 ──でも、もう九百九十九個も宝物を持っているんでしょう? そんな人がほしがるものなんてわかるはずがないじゃない。
 ここは返答を濁すことにする。無難な回答は一択だけ。
「お金では買えないものなんてどうかしら」
 なにもお礼は物でなくてはいけないわけではない。気持ちが一番大事なものだと、家族から言われている。
 ──ゼディアの常識はわからないけれど。文化の違いがあるもの。
 エヴェリーナの答えは正解だったらしい。ジャレッドは愉快そうに笑みを深めた。
「いいな、それは。お金では買えないものか……欲望を刺激する言葉だ」
 彼の欲には際限がないようだ。エヴェリーナは密かに感心した。
 ──まあ、絶対に無理なお願いだから、ただの世間話だけれど。

 ◆ ◆ ◆

 朝の世間話などすっかり忘れた頃。エヴェリーナはジャレッドから呼び出しを受けた。
「夜の九時半に待ち合わせってなにかしら。しかも服装まで指定するなんて」
 手紙と共に届けられたのは乗馬用の服だった。まさかこんな遅い時間に馬に乗るわけではあるまい。
「湯浴みは戻られてからが良さそうですね」
 春の夜は冷える。防寒対策をしたとしても湯冷めするだろう。
「……断ったらダメかしら」
 夜は安らぎの時間だ。ジャレッドとの交流は昼間限定にしてほしい。
 セルマは微妙な顔で首を左右に振る。
「先延ばしにしてもいいことはありませんよ。仮病を使うこともできますが、見舞いに来られたらどうするおつもりですか?」
「うう……それはそれで厄介よね」
 嘘を重ねたら己の首を絞めるだけである。
 ──ものすごく気が進まないけれど、殿下も無意味に私を振り回したいわけではないはず……。
 なにかジャレッドなりの考えがあるからこそ呼び出しているのだろう。彼の真意を確かめるためにも、エヴェリーナは着替えをすることにした。
 ズボンを穿くのは久しぶりだ。ドレスとは違い動きやすいが、脚の線が見えることが少し恥ずかしい。
「外套も準備してあります」
「ありがとう。殿下は気が利くのね」
 足元は編み上げのショートブーツだ。フードつきの外套は太ももまで隠してくれる。
 どこへ行くのかはわからないが、服装に合わせて髪の毛もまとめることにした。
 そして待ち合わせ場所に行くと、待っていたのはジャレッドだけではなかった。
「なに、あれ……」
「来たな、エヴェリーナ。待っていたぞ!」

 


------
ご愛読ありがとうございました!
この続きは9月9日頃発売のティアラ文庫『俺様王太子に嫌われようと精いっぱい悪女を演じましたが逆効果のようです!?』でお楽しみください!