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溺愛ハートタイムリープ!
麗しの国王さまの過去も未来も独り占め

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書籍紹介

過去と今の俺、どっちのHが気持ちよかった?

「夫婦になれるなんて夢のようだ」大国の王トリスタンに嫁いだリーゼロッテ。毎晩甘く激しく抱かれ、幸せの絶頂。でも心に別の誰かがいると知り――。塞いでいると髪飾りが光り、過去の彼の元へタイムリープ! 逞しく成長していく様を目の当たりにして、ますます愛おしさが募る。すると、少年時代の彼から言い寄られてしまい!? 時をかける新婚夫婦のファンタスティックラブ!

ジャンル:
西洋
キャラ属性:
王子・王族・貴族
シチュエーション:
新婚 | 甘々・溺愛 | 幼馴染・初恋の人 | 野外
登場人物紹介

トリスタン

エピドート国国王。大国の王でありながら、物腰が柔らかく優しい。リーゼロッテを気に入り、王妃に迎える。

リーゼロッテ

コランダム国の第二王女。トリスタンの妻となり、甘く愛されて幸せな日々を過ごすが……。

立ち読み

 僕はずっと、暗くてジメジメした中にいた。
 いつからだろう。気が付いたらその中にいて、ここが僕の世界の全てだった。
 寂しくて、胸が苦しくて、泣いてばかりいた。
 ご飯を持ってきてくれる大きな男の人に、「お前の取り柄は容姿だけなんだから、顔が腫れたら困る。泣くな」っていつも怒られていた。
 でも、そんなこと言われても、自然と出てきてしまうんだ。
 夜になって、窓から差し込む光もなくなってしまって、真っ暗になったら心まで暗くなって、寂しさで胸がいっぱいになって、自然と涙が出てくる。
 どうして、涙が出てくるんだろう。
 どうして、寂しいと思うんだろう。
 いくら考えても、ただ寂しいとしかわからない。
 この生活がずっと続くんだと思ったら、辛くて、悲しくて、消えてしまいたい。
 その日もまた膝を抱えて泣いていたら、ふわりと甘い匂いがした。
 いい匂い……嗅いだことのない匂いだ。
 顔をあげたら、一人の女の人が立っていた。
 どうしてこんなところにいるんだろう。鍵を開ける音なんてしなかったのに。
「だぁれ?」
 話しかけたら、女の人が僕の方を見た。とても綺麗な人だ。
「だぁれ? どうしてここにいるの?」
 ピンク色の髪に、緑色の目……一度だけ食べたことがある苺みたいだ。
「驚かせてごめんなさい。私はリーゼよ」
「どうやって入ってきたの? 扉、開いてないのに……」
「えっ! えーっと、その……そう、魔法! 私は魔法使いなのよ」
 魔法使い……。
 本で見たことがある。頭がいい方が高く売れるからって、明るい間は本を読む。そこに書いてあった。
「魔法使い?」
「そうよ。魔法を使うのに疲れて、休憩するのに寄ったの」
 ニコッと笑ったリーゼはとても綺麗だった。もっとお話がしたかったのに、遠くから見張りのお兄さんの足音が聞こえたら、一瞬で消えてしまった。
 魔法使いって、本当だったんだ。
 また、一人になって寂しい……でも、リーゼはまた来てくれるって約束してくれた。
 さっきまで胸の中が苦しかったけれど、またリーゼに会えるって思ったら、少し苦しくなくなった。
 リーゼ……早く、会いたい。早く来てくれないかな。
 真っ暗だった僕の毎日は、この日から苺の魔法使いが明るく照らしてくれた。

 ──リーゼ、キミのおかげで、今俺はこうして、生きている。だから、待っていて。キミが俺の元へ来てくれたように、今度は俺がキミを迎えに行くから。

 

 

 

 その日は、落ちてきそうなほど、大きなオレンジ色の満月が印象的な夜だった。
「ホールへ戻ります。どうか手を離してください……っ」
 コランダム国の第二王女リーゼロッテは、男に細い手首を掴まれて恐怖に怯えていた。震えながらも、第一王女である姉のパウラを小さな背中に庇う。
 恐ろしさのあまり声は震え、深緑色の瞳には薄らと涙が滲んでいる。
 リーゼロッテとパウラは薄暗い城の庭で、若い男二人から迫られて震えていた。
 あの時、兵に声をかけておけばよかった……。
 リーゼロッテはもう一人の男の手がパウラに伸びないよう必死で彼女を守りながら、少し前の自分の行いを後悔していた。

 今夜はコランダムの建国を祝う舞踏会が開かれ、自国の貴族はもちろんのこと、諸外国の王族も城を訪れている。
 化粧室からの帰り、廊下の窓からパウラが庭へ出たのが偶然見えて、リーゼロッテは慌てて彼女の後を追った。
 パウラは絶世の美女だ。
 結ぶことも難しいほどサラサラのプラチナブロンドの髪に、紫色の大きな瞳は神秘的な宝石のように美しい。
 雪のように白い肌に、口紅を塗らなくても赤く色付いたぽってりとした唇、どこを見ても魅力的だ。
 服の上からでもわかる大きな胸は、細く引き締まった腰でより際立っている。美しくない箇所が一つもない。全てが美しい。それがリーゼロッテの姉パウラだった。
 一部の人間の間では、“月の女神”と呼ばれているらしい。
 その話を聞いたリーゼロッテは、秀逸な呼び名を付けたものだと感心した。確かにパウラは月の女神のようだ。
 これで高慢な性格なら、『ああ、人間やっぱり完璧とはいかないものだ』という話になるのだろう。しかしパウラは慈愛に満ちた穏やかな気性で、リーゼロッテはもちろんのこと、皆が彼女が大好きだった。
 ただ、本人が自分の美しさに気付いていないのが、厄介なところだ。
 その美貌を狙う人間が存在しているなんて思ってもいないため、こうして護衛も付けずに一人になろうとする。
 それでもパウラが無事なのは、周りの人間が彼女の行動に気付いて、大事に至らないように守っているためだ。
 しかし、今日パウラの浅はかな行動に気が付いたのは、妹のリーゼロッテだけだった。
 恐らく何曲も踊って、暑くなったから涼みに行ったのだろう。
 今日のために仕立てた淡いピンク色のドレスの裾を掴んで、これでもかと膨らませたパニエを蹴り上げながら、姉のいる庭へ急ぐ。
 せっかく化粧室で直したストロベリーブロンドの髪が、どんどん乱れていく。でも、そんなことは気にしていられなかった。
 悠長なことを言っていたら、パウラが危ない目に遭ってしまうかもしれない。
 リーゼロッテがようやくパウラの元に到着した時には、既に若い男二人に迫られて困っているところだった。
 瞳の色は暗くて見えないが、上等な衣装に身を包んだ栗毛と黒髪の男だ。見たことのない顔だ。自国の貴族ではない。他国から招待した王子の誰かだろう。
 今回の招待客は、リーゼロッテはもちろんのこと、王族全員が顔と名前をすべて頭に入れている。
 実際に会ったことのある人物は顔と名前が一致しているが、一度も会ったことのない人物の顔は肖像画でしか確認できないので、わからない。
 肖像画は本当の見た目よりも、うんと見目麗しく仕上げることが多いので、実際に会って話してみないことには顔と名前が一致しないのだ。
 ちなみにリーゼロッテは、実際に見てがっかりされたら悲しいので、そのままの姿を描いて貰っている。
 栗毛の男がパウラに手を伸ばすのを見て、リーゼロッテは乱れた呼吸を必死で整え、姉の名前を叫んだ。
「パウラお姉様!」
 大きな声に驚いて男が手を引いた隙を見て、リーゼロッテはパウラと男たちの間に立った。
 美しいパウラを間近で見て理性が擦り切れそうになっているのなら、平々凡々な自分を見て、どうか正気を取り戻して欲しい。
「リーゼ……」
 パウラは暗くてもわかるほど真っ青な顔だ。大きな瞳は恐怖で潤んでいる。
「パウラお姉様、どうしてこんなところに?」
「暑くなってしまって、涼みに……」
 やっぱり……。
「リーゼも?」
「違うわ。私はパウラお姉様が一人で出ていくのが偶然見えたから、迎えに来たのよ」
「リーゼロッテ姫、お会いできて嬉しいですよ。ああ、パウラ姫と同様に近くで拝見するとより美しいですね」
 栗毛の男が二人の会話に割って入る。ニヤニヤと浮かべた嘘くさい笑みを見ていると、不快感で胸やけしそうだ。油っぽい食事を無理してお腹に入れた時よりも酷い。
「初めまして、本日はお越しいただき、ありがとうございます。……申し訳ございません。お名前を存じ上げなくて」
「私はバナディン国の第二王子、ベドジフと申します。今年十六歳になりました。確か、パウラ姫とは同じ歳かと」
「え、ええ、そうですね」
 パウラは鈴の鳴るような声で答えた。彼女は声まで美しい。
「私は第三王子のヴィルマです。私は十五歳なので、リーゼロッテ姫と同じです」
 栗毛がベドジフ、ブルネットがヴィルマだった。
 バナディン国王は十人の側室を持ち、十四人の王子、五人の姫が誕生している。今回招待したのは第三王子のヴィルマまでだ。
 肖像画では二割……いや、三割増しで描かれていた。髪と瞳の色しか合っていない。これで顔と名前が一致したら奇跡だ。
 バナディン国の王子は、全員良い噂を聞かない。特に女性に対しては……。
 できるだけ波風を立てずに、早くこの場を去りたい。
「まあ、遠くから本当にありがとうございます。では、私たちはこれで失礼致しますね。パウラお姉様、ホールへ戻りましょう」
 リーゼロッテがパウラと共に踵を返そうとしたら、ヴィルマに手を掴まれた。
「……っ! な、何をするんですか? 離してください」
「待って。それでは僕たちがこんなところまで来た意味がないだろう?」
「それは、どういう意味で……」
「ですから、先ほどからご説明しているではないですか。私はここへ涼みにきたのです。男性との出会いを求めてではございません……! 妹を離してください」
 どうやら、リーゼロッテが心配していた通りのことになっていたらしい。
 声を荒らげるパウラを見て、二人は意味深な笑みを浮かべる。
「お二人は、淫らな遊びの経験は?」
 ゾワリと鳥肌が立つ。
 リーゼロッテは反射的にヴィルマの手を振り解こうとするが、きつく掴まれていて離して貰えない。
「す、するわけがありません!」
 絶句するパウラの代わりに、リーゼロッテが声をあげた。
「それは勿体ない。あれ以上に楽しい遊びはないというのに」
「こちらも二人、姫たちも二人……人数的にもちょうどいいし、僕たちが教えてあげるよ。さあ、もう少し奥へ行こう」
 ここへ来る前に、兵に声をかければよかった。
 そこまで頭が回らなかったことに後悔し、リーゼロッテは涙目になる。
「結構です! そんなことに興味なんてございません」
 リーゼロッテは二人を強く睨みつけるが、潤んだ瞳では全く迫力が出ない。
「そんなことを言わずに。俺たちが天国に連れて行ってあげるからさ」
「ああ、二人とも胸がとても大きいね。余裕で挟んで貰えそうだ。僕たち、挟んでしゃぶって貰うのが大好きなんだよ」
 無遠慮に口にされた淫らな言葉に、吐き気がこみ上げる。二人の視線に胸元を舐めるように見つめられ、リーゼロッテは自由になる方の手で胸を隠した。
「こ、こんなことをしてただで済むとお思いですか? 国際問題になりますよ!」
 震えながらも、パウラが声を上げる。
 バナディン国はコランダム国よりも大きく、力もある。戦争を仕掛けられたら、負けるのは明らかにこちらだ。でも、それは国単体の話だ。
 コランダムはさまざまな国と同盟を結んでいる。だからこそ小国でありながら、他国からの侵略を受けずに今日まで平和でいられた。
 同盟国の力を借りれば、バナディン程度の国はひとたまりもない。淫らな考えで頭がいっぱいとはいえ、王子ならこの恐ろしさが理解できるだろう。
 しかし二人は怯むどころか、薄ら笑いを浮かべていた。
「国際問題にできるのかな? 未婚の姫が、二人揃って庭で抱かれて純潔を失ったと言えるのなら、言ってみるといいよ。今後キミたち二人に良い縁談がくればいいんだけどね」
「……っ……なんて、卑劣な……」
 パウラの瞳からついに涙が零れ、頬を濡らす。
 その様子が余計に兄弟の興奮を煽ったらしい。目をギラギラと輝かせ、舌なめずりをしている。まるで肉食獣が、美味しそうな獲物を見付けた時のようだ。
「ホールへ戻ります。どうか手を離してください……っ」
 必死に訴えても手を離して貰えない。それどころかベドジフの手がパウラにまで伸びてくる。
 まさか、こんな形で純潔を散らすことになるなんて思わなかった。
 誰か助けて……!
「やめ……っ……」
 大声を出せば少しは可能性があるだろうけれど、喉に何かが詰まっているみたいに小さな声しか出ない。パウラもそのようだった。
「その手を離せ」
 もう駄目だと思ったその時、後ろから低い声が聞こえた。
 誰……?
 振り返ると、とても美しい青年が兄弟を睨んでいた。
 太陽のように美しいゴールデンブロンドの髪が、月光に照らされて輝いている。鋭く睨む切れ長の瞳は、よく晴れた日を思わせる爽やかな青だ。
 この世で一番美しい人間はパウラで間違いないと思っていたが、彼女と同等に……いや、それ以上に麗しかった。
 女性の中で一番美しいのがパウラなら、男性で美しいのは間違いなくこの青年だろう。
 この方は……。
 肖像画で見た覚えがある。今まで見てきた中で一番美しかった絵だ。
 こんなにも美しい人が、存在するわけがない。
 きっと実物よりも、うんとよく描かせているのだろうと思っていたから、とても印象に残っている。そして名前も──。
 彼の名は、エピドート国王トリスタン・ミストラルだ。
 エピドート国とは友好条約を結んでいるが、実際に会うのは初めてだった。
 何年か前、彼の即位式に出席した両親が『若く、とても美しい王だった』と言っていたのを覚えている。
 肖像画よりも、実物の方が美しい。画家もこの美しさをどう表現していいのか、さぞかし困ったことだろう。
「これは、これは! トリスタン様ではないですか。よろしければ、あなたも一緒に楽しみませんか?」
「これだけの美しい姫を二人だけでというのは、贅沢な話ですからね。ぜひ、ご一緒に」
 なんてとんでもない提案をするの!?
 もし、そんなことになったら……。
 恐ろしい未来を想像し、気丈に振る舞っていたリーゼロッテの瞳からもついに涙が零れた。
「ふざけるな!」
 トリスタンの放った怒声に、空気がビリビリ振動する。
「女性を傷付ける卑劣な王子がいる国とは、二度と関わり合いたくない。後日、関係の解消について、貴国に正式な書類をお送りさせてもらう」
 にやついていた兄弟の表情が、見る見るうちに青ざめていく。細い手首を掴んでいた手から力が抜け、リーゼロッテはすぐさま手を引いた。
 バナディン国は一年のほとんどが冬で、作物が作れない。そのため野菜の大半をエピドート国からの輸入に頼っていた。
 国交が断絶されることになれば、食糧危機に繋がる。エピドートが各国にバナディンへの輸出を制限するよう圧力をかけたら、国が滅びてしまう。
「も、申し訳ございません! どうか! どうか、それだけは……」
「二度とこのようなことをしないと誓うのなら、考えてもいい。だが、今行ったことを王の前で全て話し、監視を付けさせることが条件だ」
「そんな……」
「嫌なら、構わない。こちらは今すぐにでも関係を絶ちたいぐらいなのだから」
「わっ……わかりました」
「では、その旨を記した書類をお送りするので、先にお二人の口からお父上にご説明しておくように」
 言う通りにしなければ、国が滅びてしまうので、拒むことはできない。しかし、「はい」と返事をする彼らの表情は、あからさまに嫌だと言っていた。
 トリスタンにこの場から去るように言われ、兄弟たちはそそくさと城へ戻っていく。
 助かったのね……。
 安堵して力が抜けたリーゼロッテは、膝から崩れ落ちそうになる。パウラが支えようとするよりも先に、トリスタンが受け止めた。
「大丈夫?」
 ヴィルマに手を掴まれた時はとても恐ろしかったが、トリスタンに触れられるのは少しも恐ろしくない。
 温かくて、大きくて、とても安心感がある腕だ。
「え、ええ、助けてくださって、ありがとうございます」
 リーゼロッテが顔をあげてお礼を言うと、トリスタンはなぜかまじまじと見つめてきた。
「……ようやく見つけた」
「え?」
 とても小さく、震えた声だった。

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